G7首脳が神道最高位の神宮へ参拝、その狙いは

【政治ニュース】 平成二十八年五月二十六日に産経は、記事『安倍首相「南シナ海問題でG7が主導」(写真引用)』内で主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の為に訪日しているG7の首脳が上七社・太神宮の神宮(伊勢神宮)を訪問した事実をロイターの写真で伝えた。神宮内の参道を一列に歩いた。

左から伊 マッテオ・レンツィ首相、欧州委員会(EU) ジャンクロード・ユンケル委員長、仏 フランソワ・オランド大統領、加 ジャスティン・トルドー首相、独 アンゲラ・メルケル首相、米 バラク・オバマ大統領、日 安倍晋三 総理大臣、欧州議会(EU)のドナルド・トゥスク議長、英 デービッド・キャメロン首相。「二拝二拍手一拝」の作法を求めず、自由拝礼。内宮の「御正殿」で特別参拝である御垣内参拝(みかきうちさんぱい)をした。


英国は六月にEU離脱に関する国民投票、日本は七月に『参院選』、イタリアは秋に上院の権限縮小に関する国民投票、米国は十一月に『大統領選』、フランスは来年春に大統領選と議会選挙、ドイツは来年秋に総選挙が予定されている。



 同日に日経は記事『首相、世界経済「大きなリスクに直面との認識で一致」(写真引用)』で安倍総理が二十年の「北海道・洞爺湖サミット」で経済論議が不十分であったと振り返った旨を伝えた。同年にリーマン・ショックが起きた。

また日本をはじめ世界の報道各社は、サミットに関するニュースを特集し、論説も含み強力に発信している。更に安倍総理が提案した「G7伊勢志摩経済イニシアチブ」の取り纏めが合意に至ったと各社が報じた。同イニシアチブの原案は、各国の経済状況を前提に協調して経済政策を行い、金融政策・財政政策・構造改革の強化を再確認する内容で最終調整している。


=解説=

 サミットは、カナダ以外が帝国主義時代の列強国家で、現在の世界のGDPの四割を占める。年々、その割合は縮小しているものの、サミットで話し合われる内容は世界的に影響力を及ぼす。一昨年までは、同じ列強であったロシアがクリミア編入により資格停止となり、G8からG7になった。昭和五十年から始まった本会議は、国連や世界銀行の様な機関ではない。


世界の多岐に亘る話題を効率良く議論する為、先んじて外務・財務大臣会合等が開かれ、その側近達がより先んじて予備(シェルパ)会合が行われる。故に、総理達が集まるサミット本番までには大方の議題がまとめられている。


然しながら、BRICs等の台頭によりG7のみでは変化の早い世界の流れを調整できない為、中国等が入るG20の価値が高まっている。G20まで入れると、世界のGDPの実に八割強も占めている。九月に中国の浙江省・杭州でのG20開催が予定されている。



神道の知名度向上

 今回、安倍総理は神社の中の最高位である神宮へ、各国首脳を招いた。内宮には「天照坐皇大御神(天照大御神)」が祀られており、神道にとっての聖地である。米ブルームバーグは、神道にとっての神宮をカトリック系キリスト教での「バチカン宮殿」に相当すると二十四日の記事で伝えたが、ユダヤ・キリスト・イスラム教の聖地「エルサレム」が相当するものと見做せる。


神宮は、英語表記を「Ise Grand Shrine」から「Ise Jingu」に変更した。未だ世界遺産には登録されていない。世界から見て仏教(Buddism)よりも知名度が低い神道(Shinto)は、国内に関連施設が多い。世界における神道の知名度向上により、安倍政権の掲げるインバウンド増に寄与するだろう。事実、三重県では昨年の外国人観光客が三十八万人にまで上っている(宿泊旅行統計調査/観光庁)。


安倍総理は来るべき改憲で、自民党の憲法改正草案の通り、天皇陛下を象徴だけでなく国家元首に戻す事を画策する。詰まり、天皇陛下が名実共に元首となられてから、戦後復興は完遂した事になる。これは、自民党そのものの存在事由でもある。そして、当然にサミット日本開催の成果「G7伊勢志摩経済イニシアチブ」をもって、衆院解散は有り得る。

(了)


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