「園という生き物を味わってほしい。」大島渚の次兄・新の魅せ方

【芸能ニュース】 平成二十八年五月十四日、東京・新宿にて映画『園子温という生きもの/日活』の初日舞台挨拶が行われ、監督の大島新とプロデューサの小室直子が登壇した。この作品は映画監督・園子温のドキュメンタリー映画。大島新は、故・大島渚の次兄であり、TV番組・映画製作会社ネツゲンの代取も務める。


二十七年には映画「新宿スワン(二〇一五)/ ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント」「ラブ&ピース(二〇一五)/アスミック・エース」「リアル鬼ごっこ(二〇一五)/松竹、アスミック・エース」「みんな!エスパーだよ!(二〇一五)/ギャガ」と四本の新作が公開され、日本で最も多忙な映画監督となった園子温。時には過激な発言が物議を呼ぶが、それは園子温のほんの一面だ。


同作で描かれる園子温は、新たな映画企画の打ち合わせに忙殺されながら、アトリエで自由奔放な絵をキャンバスに描き、時にはミュージシャンとして破天荒なライブを行い、路上パフォーマンスで警察に事情聴取されながらもアーティストとして独創的な個展を開催し、自宅では妻との時間を過ごす姿。そして、二十五年前に書いた脚本『ひそひそ星』の映画化を自主制作でようやく実現させようとしている期間に密着したモノだ。




<園の泥酔シーンがイメージ通り>

 三百七十六日に及ぶ密着取材をしながら同作を作り上げた大島は、「約一年以上、この変な生き物(園)を取材してくたびれたが、ここまでたどり着けてよかった。」と完成した作品に満足な様子。同作は、元々情熱大陸で密着した大島が”テレビでも面白かったが、映画にした方がもっと面白くなるだろう”と考え撮影された。「CMの関係上、お酒はたしなむ程度しかテレビでは放送できないが、映画だと泥酔も、はっちゃけたシーンも撮れる。そしたら見事に大暴れしてくれた。」と思い通りの作品に仕上がったと語った。


撮影時は福島での撮影があったため、現場もピリピリムード。帰宅困難区域で撮影している間の取材は、園にとってもストレスになった。本編でもそのやりとりが収録された。取材されている当初は園も嫌々だったそうだが、「嫌なシーンほど周りは面白がる。」と複雑な心境を園が明かしたとのコト。



嫁・神楽坂恵とのシーン

 また、同作の中では園が今まで共に仕事をしてきた俳優陣のインタビューもあるそうで、オススメのシーンを聞かれると大島は「神楽坂恵さんのシーンです!」とキッパリ。共演者として、パートナーとしての神楽坂は監督・大島から見ても重要人物のようだ。


園の魅力を「表現に対しての飽くなき欲望」と語る大島は、同時期に公開される「映画『ひそひそ星/日活』を見た後に同作を見ると、より楽しめるようになっている。」と、取材時に撮られていた作品も合わせて観てほしいと話した。


撮影記者:原田眞吾

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