リオ五輪・金メダリスト候補 =中篇=

【スポーツ考察】 JOC(日本オリンピック委員会)がリオ五輪で十四個の金メダルを獲得出来ると宣言し、その内訳を記者なりに紐解いてゆく。前回は女子レスリングにフォーカスをした。今回は男子体操に注目する。男子体操で獲得出来る金メダルは『四個』だ。平成二十八年六月十日より強化合宿に入った。



男子体操

 ロンドン五輪では団体で銀メダルを獲得している男子体操は、リオ五輪でも金メダルの可能性は大いにあるだろう。また昨年行われた世界選手権では金メダル四個、銅メダル一個を獲得している。先日に東京・国立代々木競技場で「全日本種目別選手権」が行われ、日本代表選手五人が全て出揃った。その代表選手を紹介して行こう。



内村 航平(コナミスポーツクラブ、己巳)

 内村航平は多くを語る必要もない程までに世間には認知されているだろう。誰もが認めている世界一の競技者だ。その評価は高く、海外メディアからも「キング」と称されている程。昨年行われた「世界選手権」では前人未到の六連覇を達成。オリンピックでは初参加だった北京五輪で銀、前回のロンドン五輪で金メダルを獲得。リオに挑む日本人の中で最も金メダルに近い選手といっても過言では無いだろう。男子体操のリーダーとしてチームを牽引して行く。




加藤 凌平(同上、癸酉)

 体操会きっての甘いマスクの加藤。女性ファンがかなり多い。しかしルックスだけではなく実力も折り紙付きで、内村に次いで五輪代表者に内定している。二千十三年開催の「世界選手権」では内村に次ぐ銀メダル。内村が不在だった昨年の「アジア選手権」では個人総合で金メダルを獲得している。



田中 佑典(同上、己巳)

 田中は体操三兄弟として有名である。兄の和仁、姉の理恵と共にロンドン五輪に出場。兄弟で団体銀メダル獲得に大きく貢献してくれた。日本代表でも一、二を争う正確な美しい演技には内村も下を巻くほどだ。いぶし銀の様な安定した演技は、きっと日本の団体金メダルに貢献してくれることだろう。



白井 健三(日本体育大学、丙子)

 体操会の中で若手選手で最も注目されているのが白井だ。種目別ゆかではトップクラスの実力を持っており、昨年の「世界選手権」では金メダルを獲得。内村も「捻り過ぎてて気持ちが悪い。」とコメントをする程。昨年行われた豊田国際では「後方伸身二回宙返り三回ひねり」が「シライ3」と命名され、最高難易度のH難度に認定された。またその他にも「シライ / グエン」、「シライ2」、「シライ / キムヒフン」など自身の名が付いた技を四つも持っている。



山室 光史(コナミスポーツクラブ、己巳)

 代表最後の一枠を勝ち取ったのが山室だ。山室はロンドン五輪、男子団体総合決勝の跳馬で左足を骨折。悲劇から這い上がってきた選手だ。山室が代表に選ばれた決め手となったのが日本が苦手とする吊り輪、あん馬だ。吊り輪、あん馬をそれぞれ得意とする選手ももちろんいる。しかし団体総合で金を獲得するならば総合的に二種目以上貢献できる選手が望ましい。そのバランスが取れていた選手が山室だ。ロンドン五輪の悲劇から這い上がったそのパワーを是非リオで見せ付けて欲しい。


画像:JOC公式HPより引用

記者 : 岡村拓磨

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