芸能界はDX化で百四十億円、三百億円、一千億円と拡大予測|CyberZ

【芸能報道】 令和二年七月三十日にサイバーエージェント(4751.T1)の連結子会社であるCybver(代取:山内隆裕)とOEN(代取:藤井琢倫)は、デジタルインファクト(代取:野下智之)と共同で国内デジタル ライブエンターテインメント(DLE)市場に関する市場動向調査の結果を公表した。


この調査では、アーティストが音楽ライブや演劇等を主にステージ上で演じ、ライブ配信で提供されるコンテンツを「DLE」と定義し、市場規模を推計・予測した。本年のDLE市場規模は、百四十億円に達し、翌年には前年比で二倍の三百十四億円規模と急拡大との予測。


 コロナ禍の為、アーティストや興行者の収益機会は大きく減少。本年のLE全体の市場規模は一千八百三十六億円、前年比で七割減と見込まれる(ぴあ総研調べ)等と芸能界全体に深刻な影響を及ぼしている。一方で、政府や地方自治体による外出自粛要請の影響を受け、消費者の巣ごもり需要が拡大。オンラインを介したLコンテンツの視聴・消費機会は高まりつつある。


従来は、プロモーション目的において、一部のアーティストによる動画配信サイトでのMV配信等に止まっていたLコンテンツのデジタル活用は、本格的な収益獲得を目指す取組みとして急速に進んだ。春以降、多くの事業者がL動画配信を開始。夏には大型音楽アーティストによる興行が増えた。ジャンルは音楽以外にも舞台や朗読劇、声優イベント等とコアなファン コミュニティを伴ったアーティストを皮切りに、デジタル化が進んだ。

ドームからLハウスまで、幅広い動員観客規模がデジタル化された。



<課題とアイデアと収益と>

 課題はコミュニケーション。DLEが今後、更に普及していく為には、リアルにおけるアーティストとの双方向コミュをオンライン上で如何に再現でき、放送音楽番組との差別化を図れるか。


無観客Lにおける演出の一環として、リアルで行われているアーティストと観客とのコール&レスポンスをオンライン上で再現する演出やLユーザの姿を会場の巨大スクリーンに映し出す等とユーザ参加型の取組みが各社の工夫により行われている。


今後は、CG合成技術を活用等により、今までに無い新しい表現を用いたユーザ体験を収容人数の制限なく、幅広いファンに対して届ける事が可能となる。先に挙げた双方向コミュ等も含め、周辺産業への波及効果も期待する。


次は収益面。リアルでの大きな収益源の一つ「Lグッズ」。会場販売の代わりにECサイト・グッズストアへの集客促進を図り、購入を促す。品揃えの拡充による“売るための工夫”やオンラインくじの提供等の仕組みを取入れた興行も増えつつあるとした。今後はドーム級に限らず、Lハウス規模や劇場型等の中小規模興行のデジタル化にも期待を寄せる。



芸能界は、新しい社会環境に対応し、リアルとデジタルの双方を活用した今までに無い収益モデルの構築とエコシステム(生態系)を生み出し、再び持続的な成長を遂げる事を期待。DLEは、芸能界の再成長を支えるに止まらず、新しい需要を生み出し、四年後には、九百八十四億円規模に達すると予測した。


画像:FPhime、㈱CyberZ

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