左派(社会・共産主義)国政政党の『終戦の日』メッセージ

【政治報道】 令和二年八月十五日に公明党(代表:山口那津男)、立憲民主党(代表:枝野幸男)、国民民主党(代表:玉木雄一郎)、日本共産党(委員長:志位和夫)、社会民主党(党首:福島瑞穂)とれいわ新選組(代表:山本太郎)の六党は、それぞれ『【終戦記念日で党アピール】「平和への誓い」新たに』『七十五回目の終戦の日を迎えた』『戦後七十五年の終戦の日にあたって』『終戦記念日にあたって』『敗戦七十五年にあたって』『敗戦の日』を公表した。 


左派は、歴史誤認を前提にしている政党が多い。日本は白人の帝国主義とは異なり、侵略・植民地支配を行っていない。民間情報教育局(CIE)/GHQの洗脳教育を前提としている。定義と事実を比較すれば、自ずと分かる。日本を侵略国家だったと未だに見做しているアジア諸国は劣勢だ(因みに、見做す国はそもそも当時、存在していない。)。但し、大方のメッセージは真っ当なものが多いものの、左派内で一部、批判している点も見受けられた。



 以下は公明党。文字装飾はハイム。

「本日、七十五回目の終戦記念日を迎えました。先の大戦で犠牲となられた内外の全ての方々に謹んで哀悼の意を表すと共に、ご遺族並びに今なお深い傷痕に苦しむ皆様に心からのお見舞いを申し上げます。

八月十五日は、『平和への誓い』を新たにする日です。同じ七十五年前、広島と長崎に原爆が投下されました。被爆者の高齢化が進み、『被爆の実相』を如何に次世代に継承していくかが懸念され、更にそれだけに戦争遺構や戦争の記録を後世に残していく事が重要になっています。私達公明党は過去の侵略を反省し、戦争の残酷さを語り伝えていく事を固く決意しています。


今、新型コロナウイルス禍で、各国の市民生活は様々な困難に直面しています。世界ではコロナ禍の対応を巡って、自国中心主義の台頭もみられ、戦後に作り上げてきた国際協調の衰退を危惧する指摘も少なくありません。こうした中で、欧州連合(EU)がコロナ禍克服に向けた『復興基金』創設で合意し、結束力を見せた事は、国際社会のあるべき方向性を示す希望となりました。


日本はコロナの感染拡大防止と、社会活動・経済活動の両立に全力で取り組んでいます。公明党は感染拡大が始まって以来、政府の対策をリードし、現在も政府と共に治療薬・ワクチンの確保、開発や『新しい生活様式』の定着等コロナ禍を乗り越える為総力を挙げています。


また、国際平和の実現において、公明党は、如何なる危機的な状況下でも、粘り強く冷静に対話と行動を続ける事が王道であり、相互尊重や国際協調といった価値観に基づく、より良い世界を支える鍵であると考えています。これこそが日本国憲法がめざす『恒久平和主義』と『国際協調主義』の精神に通じる道です。


世界は、今年創設七十五年を迎える国連が進める『持続可能な開発目標(SDGs)』の達成を目指しています。このSDGsが掲げる『誰一人取り残さない』とのメッセージは、欠乏と恐怖から個人を守る『人間の安全保障』の具現化に他なりません。国際社会の絆を深めなければならない今だからこそ、SDGsを着実に進める努力が必要です。


国際協調体制の中心は、国連の場であるべきです。その上で、国際連携をより発展・拡充し、国連の機能を補完する様な形で、多国間による安全保障対話の場の創設を検討する事も重要であると考えます。とりわけ、米国と中国の双方で不信の広がりもみられますが、同盟国であり、友好国である日本がより多方面の国々も含めた信頼醸成の要役を担う様努力する事は、我が国の大事な平和貢献の一つではないでしょうか。


そして、大切な平和貢献を語る上で触れなければならない最重要な課題は、核兵器の廃絶です。二〇一七年七月に国連総会で核兵器禁止条約が採択されました。公明党は、核兵器を違法とした同条約を、大局的に核兵器に関する国是である非核三原則を国際規範にまで高めた画期的なものとして評価しています。一方、同条約に反対の核保有国と非保有国の対立で、核廃絶に向けて必要な対話は停滞しています。双方の対話実現に向けて、世界で唯一の戦争被爆国の日本がその橋渡し役として存在感を示す必要があります。次回の核拡散防止条約(NPT)再検討会議を通じ、核軍縮を進める為の共通の基盤を探る事が重要であり、公明党が核廃絶に向けた対話を促進して参ります。


終戦記念日にあたり、公明党は、この半世紀、『平和の党』として闘い抜いてきた使命と責任を肝に銘じ、私達の時代の最大の試練を克服し、世界の平和と人類の繁栄に貢献する国づくりに邁進していく事を、重ねてお誓い申し上げます。」



以下は立憲。

「本日、七十五回目の終戦の日を迎えました。先の戦争で犠牲となられた内外全ての方々に思いを致し、国民の皆様と共に改めて衷心より哀悼の誠を捧げます。


先の大戦では、国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私達は、この反省を痛切に胸に刻み、二度と戦争の惨禍を繰り返す事のない様、改めて誓います。


終戦から七十五年という長い月日が流れ、戦争の体験を語る事のできる方々が年々少なくなってきているのも事実です。戦争の記憶が国民の中で薄れていく中で、戦争の悲劇が忘れ去られる様な事があってはなりません。私達には、戦争の記憶を語り継ぎ、平和の尊さを次世代に伝えていく義務があります。


一方で安倍・自公政権は、憲法解釈変更による歯止めなき集団的自衛権の容認や、憲法改悪の動き、防衛費の際限なき膨張、先制攻撃と受け取られかねない敵基地攻撃能力の保有の検討等、戦後の我が国が育んできた立憲主義、平和主義を脅かす動きを強めており、こうした動きは断じて容認できません。


立憲民主党は、綱領や基本政策において、歴史の教訓を胸に刻み、日本の外交・安全保障の基本姿勢である国際協調と専守防衛を貫くとの立場を明確にしています。こうした原点を忘れる事なく、戦後七十五年の節目となるこの終戦の日に、改めて国際社会の平和と繁栄に貢献する決意を新たに致します。」



以下は国民。

「本日、七十五回目の節目の終戦記念日を迎えました。先の大戦では多くの方が戦場で斃れ、一般国民も原爆、空襲、沖縄戦等の戦禍に巻き込まれ尊い命を落としました。また、終戦後も、異国での抑留中や、原爆や傷病の後遺症で亡くなられる方も多くいました。ここに、全ての犠牲者の方々に衷心より哀悼の誠を捧げます。


今日の日本の平和と繁栄は、戦争によって命を落とされた方々の尊い犠牲と、戦後の辛苦に耐え復興の道を歩んでこられた先人のご努力の上に成り立っています。こうした先人達への敬意と感謝を忘れず、平和で豊かな日本を維持・発展させて参ります。


また、憲法の平和主義に則り、不戦の誓いの下、戦後七十五年間、日本が歩んできた道は世界に誇れるものだと確信しています。私達は、昭和、平成と引き継いできた戦争の惨禍の教訓と恒久平和の願いを風化させる事なく、令和の世代へと語り継いで参ります。


今日では国家間の戦争だけでなく、テロを始めとした新しい紛争の脅威が出現しています。国民の安全や平和を守る為の備えを万全としつつ、我が国の平和主義、民主主義を守り、発展させる為、あらゆる努力を払っていく事を国民の皆様にお誓い致します。」



以下は共産。

「一、七十五回目の終戦記念日にあたり、日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配の犠牲となった内外の人々に深い哀悼の意を表します。


今年の終戦記念日は、世界と日本で新型コロナウイルスが未だ猛威を振るう中で迎えました。多くの国民が『戦争に繋がる軍事費を削ってコロナ対策に』と願っているにも係らず、安倍政権は今年度も過去最高の軍事費を更新し、憲法九条の改悪に執念を燃やしています。日本共産党は、コロナ禍の下で国民の健康と生活を守ると共に、九条を守り抜き、九条を生かした平和な日本を築く為に全力を挙げます。


一、日米安保条約改定から今年で六十年。九月には、安保法制=戦争法の強行から五年が経過する中、安倍政権は、日米軍事同盟の強化と大軍拡を進め、沖縄での米軍新基地建設を強行しようとしています。更に、憲法九条を変え、無制限の集団的自衛権の行使、海外での武力行使ができる国にしようとしています。安倍改憲を阻止し、安保法制を廃止して、『戦争する国』づくりをストップさせる為、平和を願う全ての皆さんが力を合わせる事を心から呼び掛けます


一、政府・自民党は今、公然と『敵基地攻撃能力』を保有しようとしています。国民の世論と運動によって陸上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』の配備が断念に追い込まれた事を逆手に取った暴挙です。敵基地攻撃は事実上の先制攻撃であり、国際法違反です。これまで『攻撃的兵器を保有する事は、自衛の為の最小限度の範囲を超える事になるから、いかなる場合も許されない』としてきた憲法上の立場を完全に蹂躙(じゅうりん)したものに他ならず、絶対に許されません。軍拡競争の悪循環を生み、北東アジアの緊張を更に激化させるのは明らかです。日本共産党はこの企てを断固阻止すると共に、憲法九条を生かした外交で平和な日本と北東アジアをつくる為に力を尽くします。


一、国連で二〇一七年に採択された核兵器禁止条約は、米国等核保有国による妨害にも係らず、現時点で八十二カ国が署名し、四十四カ国が批准しました。条約発効に必要な五十カ国の批准へ向け、更なる国際世論を巻き起こす時です。

日本世論調査会の八月発表の調査では、核兵器禁止条約に『参加すべき』という国民は七十二%に上っています。にも係らず、安倍政権は唯一の戦争被爆国にも係らず、『核抑止力』を口実に、被爆者・国民の悲願に冷たく背を向け続けています。安倍政権を倒し、被爆者と圧倒的多数の国民が望む核兵器禁止条約に参加する政府をつくる為、市民と野党の共闘を更に発展させる事呼び掛けます。」



以下は社民党。

「第二次世界大戦の終結から七十五年目の八月十五日を迎えました。日本の侵略戦争と植民地支配に始まり、十五年にも亘った太平洋戦争は、多くの国々に多大な苦痛と損害を与え、日本も存亡の危機に陥りました。戦争の犠牲となってたおれ、傷つき、苦しめられた全ての人々に、心から哀悼の誠を捧げます。遺族の皆様、そして今も尚戦争被害に苦しまれている皆様に、心からお見舞いを申し上げます。戦禍を生き延びた人々にとっての一筋の光明が、恒久平和を誓った日本国憲法でした。七十五年の平和国家への歩みを振り返り、再び戦争の時代を招来しない様努め、後世に引き継いでいく事が、私達の責務です。


安倍政権は、『積極的平和主義』と称して日米同盟を強化し、軍事費を八年連続で増やしてきました。特定秘密保護法や『共謀罪』の制定、『戦争法』の制定等を強行してきました。そして、自衛隊を中東に派遣し、今や『専守防衛』すらかなぐり捨てる『敵基地攻撃能力』の保有を進めようとしています。その上、緊急事態条項の創設や憲法九条二項の死文化を目的とした明文改憲が行われれば、米軍と共に歯止めなく『戦争する国』へと突き進む事になります。社民党は、九条改悪と軍事大国化に反対する多くの人々と力を合わせ、改憲発議阻止と立憲主義・民主主義・平和主義に反する安倍政権の打倒に全力を挙げます。


地上戦で二十万人を超える尊い命が奪われた沖縄は、戦後も米軍が『銃剣とブルドーザー』で住民を追い出し、『捨て石』として米国の軍事支配下に置かれました。沖縄県民は、今も在日米軍基地の七割超を押し付けられ、米軍ヘリの事故や米軍人・軍属による事件、危険なオスプレイの飛行訓練等、軍隊による不条理に苦しめられ、平和憲法より日米安保条約日米地位協定が優先する日常を強いられています。安倍政権は、沖縄県民の平和の思いを踏みにじり、辺野古新基地建設を強行しています。社民党は、新基地建設反対、米軍基地の整理・縮小・返還、日米地位協定全面改正を求め、平和と民主主義を目指す戦いの先頭に立ちます。


広島・長崎は、原子爆弾によって、二十一万四千人余の命が奪われ、今日も被爆による苦しみが続いています。国連の『核兵器禁止条約』の採択や、核兵器廃絶国際キャンペーンのノーベル平和賞受賞等、核廃絶に向かう潮流が大きくなる一方、中距離核戦力廃棄条約の失効等、核超大国は逆行する動きを強めています。米トランプ政権に追従する日本政府は、核抑止力論に固執し、『核兵器禁止条約』に背を向けています。原爆症認定の問題の他、在外被爆者や被爆二世の問題等、被爆者に対する行政には様々な問題が残されています。また、空襲被害者など民間の戦争被害者は今も切り捨てられ、放置されたままです。政府は、被爆者の思いを踏みにじり、『黒い雨』訴訟の控訴を強行しましたが、社民党は、全ての戦争被害の責任を認め、差別する事なく救済を急ぐよう強く求めます。


戦後七十五年の今年、『戦後最大の試練』というべき新型コロナ禍に見舞われています。新型コロナ禍は、分断や対立を助長すると共に、管理や統制の強化、新しい強権政治やファシズムへの契機となる事に警戒しなければなりません。また、戦没者追悼式や慰霊祭の中止や延期、規模縮小、参列の取りやめが相次ぐ等、新型コロナ禍は、戦後七十五年の節目の恒久平和と鎮魂の祈りにも陰を落としています。そうした中、戦争体験の風化を防ぎ、記憶を継承する為、オンライン講話や証言DVDの上映等、新しい平和教育も模索されています。不戦・恒久平和の願いは、決してコロナには負ける事はありません。


詩人・石垣りんは、百五名の戦没者名簿に寄せた詩の中で、『死者の記憶が遠ざかるとき、同じ速度で、死は私たちに近づく』、『戦争の記憶が遠ざかるとき、戦争がまた私たちに近づく。そうでなければ良い』、『八月十五日。眠っているのは私たち。苦しみにさめているのはあなたたち』(「弔詞」)とうたいました。戦争の記憶を遠ざけて、戦争に近づくという愚かさを重ねてはいないでしょうか。今こそ目を覚まし、戦争の愚かしさと平和の尊さを次代に繋げていく事が重要です。社民党は、先人達の思いを引き継ぎ、『政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こる事のないやうにする』決意を胸に刻み、『全世界の国民が、等しく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有する』事を前文に謳う平和憲法をしっかりと活かし、恒久平和の実現に全力で努力し続ける事お誓い申し上げます。」



以下は新選組。

「戦没者の方々の御冥福を心からお祈り申し上げると共に、全ての戦争被害者の皆様にお見舞い申し上げます。


国家として、二度と同じ過ちは起こさない、という誓いの為にも、戦争被害者に対する救済は行わなければなりません。厚生労働省の発表による 各都道府県発表の空襲死者の合計は、五十六万二千七百八人。未だ果たされていない空襲被害者への賠償、 原爆被害者の全面救済は必須です。


日本の戦没者の概数は約二百四十万人にも上りますが、この戦争によって亡くなったのは日本人ばかりではありません。過去、間違った政治判断の連続で、自国のみならず、アジア諸国にも甚大なる被害を与えました。この事実を真摯に反省する政治責任を全うし、アジア地域のみならず、世界平和実現を牽引する役割を日本が担っていける様、皆さんと力を合わせていく事誓います。」


画像:公明党立憲民主党国民民主党社民党れいわ新選組/全てFacebookより

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