最小限だった『Miami Swim Week2021』、マスクstyleなどで新デザインを発表

【高級ファッション考察】 令和二年八月二十日から二十三日に米・フロリダ州にて『Praiso マイアミ ビーチ』が「マイアミSwim Week」の一環として開催された。例年、Swim Weekは七月に開催されるが、コロナ禍により開催中止となっていた。


各Swim系ブランドがランウェイショウでの新作コレクションの発表を取り止める中、数ブランドがデジタルでの発表(モデルがCG)やコロナ対策を打った上でランウェイショウを行った。インスタ等で細々と新作を発表していたが、ランウェイショウが開催される重要性を認識できた。本Swim Weekは世界最高峰のSwim系ファッション イベント。女性デザイナが主軸。


二回目となる年次イベント「UPCYCLE CHALLENGE PRESENTATION」では、若き才能・持続可能性・メンターシップに焦点を当てる。コロナ禍なので「CHEVIA ROACHE(上)」や「RAQUEL ZERBIB(下)」等がマスク スタイルのビキニをデザインした。マスク姿でも如何にファッショナブルなリゾートに魅せるか、を追求。


「VDM The Label」はランウェイショウを行った。今季の特徴はTバックは基本としつつも、トレンドの褌スタイルをハイレグにしたもの。プラスサイズのモデルと腹筋女子も起用した。ウェストからのカーヴィーラインを際立たせ、脚長・小顔効果も併せもった。


「SEEKER OF SUNSHINE」は、Swim and Yogaコレクションをヴァーチャルとしてビデオ発表。コレクションをビデオにまとめた。日本のグラビア的な主観視点やウォーキングで新作をアピール。基本はTバックで緩めや全身を隠すヨガ スタイルへのアンチテーゼとなっている。リゾートにはリゾートに相応したヨガ スタイルの提案だ。

女足る者、決してSEXYを忘れない気概を感じる。近年、トレンドが続いている黄金・蛍光ピンクの褌ビキニやCuteやエレガンスなコレクションをビデオで披露した。



「Beach Bunny」も新作をビデオ発表。近未来的でサケデリックな眩しい配色で若さを強調。トレンドの褌スタイルをややハイレグに挙げ、鋭さを増させた。フルバック、ブラジリアンとTバックをバランスよく織り交ぜ、落ち着いた配色のカーキや夜会を意識したモノトーンのルックもあった。全体的に品性が高い。

モデルはただ細い、だけでなく、軽く鍛えている印象。腹筋女子も起用し、健康的な美しい若さを前面に出した。


「LULI FAMA」は情熱的な色遣いや大人なリゾート モノトーンをランウェイショウで発表したが、全体的には若い女性よりも、やや年齢を重ねた女性向けのコレクションとなった。



今季はインスタで発表の「KAOHS」は、積極的にプラスサイズのモデルを起用。同ブランドだけではないが、世界的には細身なモデル体形の女性の方が少ない為、プラスサイズ用も展開。だが、同ブランドは、細身なモデルと同じように同格のSEXYなデザインを提供する。より大きな生地の面積を嫌う。肌に優しそうな質感がポイント。


同じくインスタ発表の「BaseandBikinis」は、Tバック以外は売らない。だが、圧倒的に攻めているわけでもなく、きちんとリアルクローズとして着れる程度に攻めている。発表した新作がよく売り切れるブランドでもある。新作をまるでファッション誌の一ページのように撮影し、リゾートをアートに仕立て上げる。アート性の強いCoolな新作となった。



インスタで発表するや否や、全て完売してしまった「PAS JALOU」は、完全に若い女性向け。ティーンを意識している。Tバックはなく、ブラジリアンとフルバックを用意するが、そのデザインは斬新だ。スパンコール遣いが非常に上手く、カッティングでは攻めずに、煌びやかさで攻める。布地の面積は大きめの保守的だが、というデザイン。細めのモデルをあまり起用しない点が奏功している模様。



最後は布地ではなく、テープでスイムウェアを構築する「Blacktapeproject」。Vogue等にも幾度も取り上げられている実力派のブランド。スイウウェアではなく、様々なテープを売っている。新作では、各地域の神話などに出てきそうな戦士を彷彿させるデザインが多かった。レースクイーン調やイブニング ドレス調もある。



デザインを決めた後は、手作業でテープを細かく切っていく。そんな地道な作業を行うデザイナは、カーヴィーモデルとの相性を「I see an amazing human when you can't see past the curves. She is more than just curves. Refrain from objectifying her with your perseption of what is curves. Admire her as a Dragon because we demand respect. Would you surrender?」と熱く絶賛した。



日本は、まだまだ偏見や古い価値観に固執している。世界最高峰のデザイナたち、特に女性デザイナから学び、世界基準に価値観を変えることはファッション界では欠かせない。中堅・シニアに合わせていれば、アート性が腐る。古い価値観に縛られる必要はない。彼女たちデザイナのように若手のアートを磨いていく。世界が認めれば、OKだ。


0コメント

  • 1000 / 1000