新選組・山本代表や京大や立命大の教授が『大阪市解体(都構想)』に反論、大阪市民と南海地震と権限・財源

【政治報道】 新選組(代表:山本太郎)は、令和二年十月五日に大阪・御堂筋にて八十分に及ぶ街頭演説を行った。十一月一日に実施される住民投票『大阪市解体』へ対し、市が無くなる事への危険性を訴えた。


山本代表(甲寅)は現状から伝えた。大阪維新の会(代表:松井一郎)を主軸とする大阪府政の“身を切る改革”では、「中小企業 振興予算」を九割も削減していた点に言及。平成十九年対二十九年比。一千三百億円から百六十億円まで削減した。データ元は自民・府議。


同じく街頭に立った元・府職員で同党の政治家である大石晃子(丁巳)は、都道府県GDPランク二位の愛知(知事:大村秀章)と比べ、「自然な流れではなく、特に大阪では、この様な政策が意図的に進められている。」と訴える。都道府県GDPランクで大阪は三位(平成二十八年度/内閣府)。



<プロが語る大阪市民のデメリット>

 ゲストの「京大」河田惠昭(丙戌)名誉教授は、自然災害等が専門。今後の三十年以内で発生確率が最大八割とされる南海地震及び津波につき、「政府も十年前から対策を進めている。名古屋市は上手くいっている。名古屋市に都構想なんてありません。名古屋市だって愛知県と二重行政の問題がある筈なんだけど、そんな事よりも南海地震でやられるっていう対策を先行している。大阪は違う。大阪は都構想で十年間、議会が動いていない。その間に全然、対策が進んでいない。」と、大阪維新の会が府民・市民の生命財産を守る事を怠っている点を強く論じた。


大阪市会(議長:本田リエ)が同市内の防災に積極的でない理由を「防災では票が取れない。」と伝えた。南海地震は飛鳥時代から九回発生している。前回は昭和二十一年。関東は大正十二年。



 同じくゲストの「立命大」森裕之(丁未)教授は、地方財政論等が専門。同市解体後の特別区につき、「一般の市町村っていうのは、一人前なんです。一人前っていうのは、普通の地方自治体として権限がある訳ですよ。その権限でもって皆さんの日々の暮らしを支えている訳です。それぞれの市町村で完結している訳です。ところが、特別区というのは、自分が何にお金使う・権限、自分が稼いだお金・財源、これが大阪府へ持って行かれるんです。大阪府への金に完全に変わるんです。」と説明した。


住民投票で可決されると、大阪市は大阪府の従属団体となると強調した。具体的には現状で大阪市の金の“三分の二”が大阪府へ渡る、と専門家の視点で指摘した。また「大阪市は日本最強の母都市なんです。大阪市は東京二十三区以上に昼間の人口割合が増えます。大阪市が衰退したら、どうなります。」と、コロナ禍における関西圏の経済そのものの衰退も懸念した。



 ゲスト三人目、「帝塚大」薬師院仁志(辛丑)教授の専門は社会学理論等。東京二十三区に「区税事務所」が無い理由を国内屈指の大企業所在地が都心三区に集中している点を挙げた。「そこに税金取る権限を与えたら、どうなります。そこの一部(都心三区)だけ、無茶苦茶金持ちの自治体になるじゃないですか。だから税金は都が吸い上げるんですよ。ほいで青ヶ島(都の島しょ部)まで面倒をみる」と、富の再配分が成立している事実を伝えた。


企業流出中の同市は、都心三区程に大企業がいない為、「(特別区の設置を)やってはいけないんです。そんな事。」と訴えた。これは富の逆・再配分(大阪市民の貧困化)が起きる事を意味する。一方の都心三区民の所得は堅調に推移している。薬師院教授は「大阪都構想も、副首都も中身の無いイメージなんですよ。中身、何にも無いんですよ。大阪市をバラバラにしたら、発展するか。」と声高に叫んだ。併せて、平成十三年の政令指定都市・さいたま市合併(浦和市・大宮市・与野市、後に岩槻市)とは正反対の事を同府・同市が行っている点を糾弾した。



大阪維新の会は『大阪市解体』が党是。同党を結党した同党・橋下徹(己酉)法律顧問は、平成二十三年に府知事時代の政治資金パーティにて「大阪市が持っている権限、力、お金を毟り取る。」と述べていた。


尚、演説で山本代表は生産性の定義を「労働者一人当たりの付加価値額」としたが、日本生産性本部の定義(数式)は「物的生産性」と「付加価値生産性」に大別。且つ、「一人当たり」「一時間当たり」「資本生産性」「全要素生産性」の計八つを定義している。労働者数のみを分母とする山本代表の説明は誤り。


記事:金剛正臣

画像:【 あかん!都構想 山本太郎 ソーシャルディスタンス街宣】JR大阪駅御堂筋北口前 2020年10月4日(日)17時30分/れいわ新選組、ウチの教授 関西大・河田恵昭さん/毎日新聞、立命館大学 森 裕之|大震災後の2次被害「アスベスト」への警鐘/立命館、それは大阪から始まった〜住民投票がもたらした政治の荒廃|帝塚山学院大教授・薬師院仁志さん【前編】/都構想ポータル

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