東京国際映画祭は「評価の定まっていない人にスポット」と深田晃司 監督|Japan Now部門二〇二〇

【芸能報道】 令和二年十月十九日に東京・二重橋「日本外国特派員協会」にて東京国際映画祭は、本年のJapan Now部門特集の記者会見を行った。深田晃司(庚申)監督や元・外交官の安藤裕康 (甲申)チェアマン等が臨んだ。


本映画祭は三十一日から十一月九日まで六本木を中心に展開。この部門は日本の監督を海外へ紹介する事が目的。近年の日本映画を振返り、現在の日本を代表する作品の数々を映画祭独自の視点でセレクションする。


短編映画「ヤルタ会談 オンライン(二〇二〇)」は逸品。世界のオンライン映画祭として配信された。劇団「青年団」演じる米英ソの首脳が、第二次大戦の終結に向けた会談のパロディだ。今どきの日本人監督は政治に対する風刺が少なく、配給会社も含めて忖度が酷いが、流石、若手の深田監督は世界戦を劇団で、しかも現代の流れをつくった起点の一つであるヤルタ会談に手を入れた。


 会見では、「十年前に東京国際映画祭の『日本映画・ある視点部門』で作品賞を頂きまし た。それが大きな後押しとなり、数々の国際映画祭に呼んで貰う事となり、日本だけではなく世界中の方々に映画を観て貰う事ができました。あれから丁度十年後という節目に特集として選んで頂けた事で、これから先また十年間頑張れ、と励ましを頂いた様に感じています。」と述べた。


また「私は映画監督としては年齢的にもキャリア的にも、まだまだ大きな実績を残していないと感じていますし、ヒット作も出していません。映画祭には多くの役割がありますが、その中の一つに、評価の定まっていない人にスポットを当てるという大事な役割があります。商業映画とは違った基準で、新たな才能に光を当てる事も大切です。そういった意味で今回の選定は社会的な、そして公的な役割を果たしているのではないかと思い、英断という言葉を使いました。」と本映画祭の重要な役割を伝えた。


安藤チェアマンは、「コロナ禍を克服する決意を新たに、感染対策は万全にしています。最も残念だったのは、外国の方の訪日が難しくなった事。従来、実施していたコンペもできなくなってしまいましたが、今年は世界の映画祭との連携を深めたいと考えています。カンヌ、ベネチア、ベルリン国際映画祭で上映された作品をたくさん上映しますし、オープニング セレモニでは世界の映画人から動画でメッセージを頂く予定です。」と例年通りの現実開催へ意気込みを述べた。


写真:東京国際映画祭、文字修飾:FPhime

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