シリーズ九作目・映画『完全なる飼育 étude』は女が男を飼育する

【芸能報道】 令和二年十一月二十七日に映画『完全なる飼育 エチュード/アンプラグド』が公開される。「完全なる飼育」シリーズの九作目。本作では女が男を飼育する。監督は若手・加藤卓哉(戊午)。原作は松田美智子(己丑)。主演は元宝塚の男役・月船さらら(乙卯)と市川知宏(辛未)。


監督・和田勉(庚午)、竹中直人(丙申)と小島聖(丙辰)の出演による平成十一年の第一作以来、鮮烈な印象を残し続けてきた本シリーズは、ノンフィクション作家・美智子の小説「女子高校生誘拐飼育事件」を孤独な少女と孤独な中年男との歪んだ純愛を描いてきた。国内だけでなく、アジア各国・全世界で公開されて話題を呼んできた。


本作の主演として近寄りがたい孤高の存在であり、強さと妖艶さを兼ね備えた女性演出家・小泉彩乃役を務めるさらら。今回は、サディスティックに自らの表現を追求しながら、どこかに脆さを抱えた演出家を見事に演じ上げた。竹中も出演する。

元アイドル「怪傑!トロピカル丸」の金野美穂(丁丑)も体当たりの演技をこなした。


=STORY=

イギリスの演劇界で名を成した後、日本に凱旋帰国。

その前衛的な作風で演劇界の寵児として一世を風靡した女性演出家・小泉彩乃(月船さらら)。しかしながら、ここ数年は観客動員が伸び悩み、とことん追い込むその演出スタイルは俳優からも敬遠されている。

新作舞台『完全なる飼育』の公演初日を2日後に控えている中、サディスティックな演出についていけなくなった主演俳優が突如降板してしまう。代役のオーディションがすぐさま行われたが、なかなか決まらない。もはや中止にするしかない。諦めた彩乃が劇場を後にしようとした時、一人の青年・篠田蒼(市川知宏)がやってくる。


演技が上手いとは到底見えない蒼に、もうオーディションは終わったと言い、追い返そうとする彩乃。だが、蒼は、何とかオーディションを受けさせて欲しいと懇願する。そのすがるような眼差しに血が騒ぐ彩乃。そして、二人きりの過酷な舞台稽古が始まる──。


舞台『完全なる飼育』は、実際に起きた女子高生誘拐監禁事件に着想を得た、江戸時代藩主の娘・菊姫を貧しい鍛冶職人が拉致・監禁し、次第に二人に恋愛感情が芽生えるという前衛時代劇。蒼に対して、稽古という名の容赦ない“飼育”をしていく彩乃。“飼育”を経て、やがて、蒼の演技は徐々に凄みを増し……

遂に、二人の関係は逆転するのだった。


画像:(C)SEDIC INTERNATOINAL,SEDIC-DILON

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