経団連『。新成長戦略』では子ども・若手への投資重視、大企業群は「平成・搾取型」から「昭和・育成型」へ戻せるか

【経済報道】 経団連(会長:中西宏明)は、令和二年十一月九日に『。新成長戦略』を公表した。従前とは違いは「スピード感をもった実行」と「地球のサステイナビリティ(持続可能性)」を根本に据えた点。


中西会長(丙戌)は記者会見にて「企業は、その活動がサステイナブルで社会に貢献するものでなければ市場の支持を得られず、存続すら危うい。」と“サステイナブルな資本主義”の確立を訴えた。株主至上主義を反省し、転換する。子ども・若者の教育、子育て世代への支援、若手研究者への支援、次世代技術への投資等の「未来への投資」の重点的な拡充を唱える。


また後、十年で役員の女性比率目標を三十㌫超に定めた。経団連は「指導的地位に占める女性の比率も五十㌫程度となるのが自然の帰結」との考え。



<出生率回復>

ターゲットは以下の五点。

  1. DXを通じた新たな成長;若い才能・研究開発への投資拡大、スタートアップの振興、個人の体験価値(健康状態や学習履歴等)のデータ化等
  2. 働き方の変革;非・時間管理。やりがいを感じられる働き方の実現
  3. 地方創生;時間・空間の制約から自由になった人材による地方創生、ユニコーン創出
  4. 国際経済秩序の再構築
  5. グリーン成長の実現


一では、「若い才能への投資を拡充し、世界中から優秀な若者を集める事が日本の未来に不可欠である。」や「新たな成長産業の生み手・担い手としてスタートアップの重要性が増す。」等と若手を重宝していきたい姿勢。 経済界としては、大企業とスタートアップの連携強化を図る。政府へは、スタートアップからの公共調達の拡大(B2G)を通じて手助けを求める。


二では、「産みやすく育てやすい社会」に向けた集中投資を掲げる。「出生率回復」を政府の優先課題としての位置付けや不妊治療への保険適用、待機児童問題の終結、児童手当の重点化・拡充、産休・育休によるキャリアの遅れの回復、男性の育児休業の取得促進等。


政府へは、「出会い・結婚から妊娠・出産・子育てに至る切れ目のない支援策の充実」を求める。円滑な労働力移動に不可欠な「学び直し(リカレント教育)」へ集中的に投資する事も求める。



大企業群は労働分配率の向上を

 中西会長は「いずれにせよ、この成長戦略で示した課題に対し、今後、経済界自らがしっかりと取組むと共に、政府・与党に強く働きかけていく。」と述べた。


経済界は平成バブルの崩壊後、それまでの育成型から非・正規労働等の搾取型を一貫してきた。犠牲になったのは、氷河期世代を筆頭とする若手。その結果、未婚が増え、少子化が進み、現在に至る。その責めは経団連にもある。上記で報じる今回の『。新成長戦略』を大企業群が真に実施する事を願うのみである。


尚、『。新成長戦略』の「。句点」の意味を経団連に問うたが、報道現在で回答は無かった。


スライド:【概要】/日本経済団体連合会

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