月経の労働損失は五千億円/年、日経BPが『女性のための働き方改革!生理快適プロジェクト』発足

【美容報道】 令和二年十一月十三日に日経BP(代取:吉田直人)は、製薬三社の協賛の下で『女性のための働き方改革!生理快適プロジェクト』を発足した。あすか製薬(代取:山口隆)、バイエル薬品(代取:ハイケ・プリンツ)と富士製薬工業(代取:岩井孝之)が協賛企業として参画。

十日にはオンライン・メディアセミナを開催した。


女性の体や生理についての正しい理解の促進、社会全体のリテラシの向上を通じて女性が働き易い社会の実現を応援したいという目的で同プロジェクトを発足。日本において「低用量ピル」の普及率は、諸外国より低いとみる。低用量ピルには、避妊目的で使用される「経口避妊薬(OC)」と治療目的で使用される「低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤(LEP剤、保険適用)」がある。




<体調が良いのは月の内、十日程度の女性も>

 十日のセミナでは、同社は女性特有の健康課題が企業活動の中で充分に考慮されていない現実等について報告。以下の点を挙げた。


  • 会社を休む、出勤していても効率が落ちる原因のトップは生理関連症状。働く女性の約半数に支障がある
  • 生理関連症状で昇進を諦める、退職する女性は少なくない。女性によっては体調が良いのは月の内、十日程度
  • 生理があると仕事の生産性が落ちると感じる人は半分以上。具合が悪くても約七割が対策を打たず放置している
  • 月経困難症等による労働損失は年間約五千億円
  • 生理に関連する症状の緩和について、正しい情報を知ったら、薬剤服用を希望した人は約六割
  • 誤解や誤認を解けば、生理のつらさから解放される女性は多い。正しい情報の啓発が必要である



月経は痛いのが当たり前ではない

 聖路加国際病院・百枝幹雄 産婦人科医は「働く女性の月経困難症 その課題と対策」というテーマで講演した。「少子化時代の現代女性は毎月、月経が必要なのか」という問題提起から月経困難症や子宮内膜症等の現代女性が直面している生理に関連した健康リスク、仕事のパフォーマンス低下等で生じている社会・経済的な損失についても解説した。


子宮内膜症・月経困難症に対する推奨治療を受ける事は、他の医療技術と比べ、費用対効果が高いというエビデンス(Cost Effectiveness and Resource Allocation 2018 16:12)の紹介と共に女性自身や社会も、当該問題に自覚的・自律的に対応していく事の大切さを強調。以下の五点を訴えた。


  1. 月経は痛いのが当たり前ではない
  2. 妊娠を望んでいない時期の月経は不要
  3. 月経によるトラブルをコントロールすれば、もっと活躍できる
  4. 月経痛には新しい薬がたくさんある
  5. 月経困難症の治療は早くから開始するほど、医療経済学的にも費用効果は高い 



同プロジェクトでは、女性達が自身の体のリズムを適切にマネジメントする事が、自分の健康向上・仕事のパフォーマンス向上・日常生活の快適に繋がるという事実の啓発と、女性を企業や社会が支援する事の必要性をメディアやセミナを通じて伝えていく。


画像:㈱日経BP

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