菅内閣が最初の令和三年度『政府予算案』、実質十一兆円の財政拡大

【政経・財政報道】 菅内閣は、令和二年十二月二十一日に令和三年度『政府予算案』を閣議決定した。一般会計の歳出・歳入の総額は百六.六兆円。前年度比で四兆円の増となる。歳入の「税収等」は七兆円の減を見込むので、実質十一兆円の増と見做せる。一割も財政を拡大させた

本予算案は、一月からの常会にて審議される。


三年度の名目GDPは二十三.四兆円増五百五十九.五兆円を見込む。名目の成長率は、四.四㌫の見通し。二年度の成長率は、実績見込みでマイナス四.二㌫二十三.六兆円の減。内閣は一年で取り戻したい。平成十九年からのリーマン・ショック時には、二年間で名目GDPが四十兆円ちかくを失った(国民経済計算/内閣府)。この経験が、国民の声と安倍・菅両内閣の「財政拡大」によって生きた。


 普通国債(建設国債や特例国債等)は、八十四.三兆円増の九百九十.三兆円。名目GDPに対し、二割の分量となる。


菅内閣は『第三次補正予算』と合わせ、感染拡大防止に万全を期しつつ、中長期的な課題(デジタル社会・グリーン社会、活力ある地方、少子化対策等の全世代型 社会保障制度等)にも対応する予算とした。二年度において「コロナ予備費」を五兆円を確保、三年度予算においても同予備費を五兆円を措置したい。 先の「持続化給付金」は五兆円程度で可能だった。


 国債発行残高よりも重大な問題「社会保障(年金・医療・介護)関係費」は、〇.二兆円増の三十五.九兆円。〇.四㌫しか増えておらず、菅内閣はコスト ダウンに成功した。それでも予算全体の三十三.七㌫も占める日本国民にとっての最大コスト。


子ども達の教育に係る「文教及び科学振興費」は、〇.〇六兆円増五.四兆円。教員の給与等は国が保障するが、過労死ラインで激務をこなす教員の待遇改善は据え置きの模様。予算全体では、五.一㌫を子どもへ投資する。


働き手の七割に係る「中小企業 対策費」は、〇.〇二兆円増一.七兆円。コロナ対策で中小企業関連の予算が各種計上されているものの、持続可能な経営(従業員の安心)の為に本体の中小企業 対策費を増やして欲しいものである。予算全体の一.六㌫で、七割の働き手を雇用する中小企業へ支援する。働き手に更なる支援を施す為には、真っ当な強い野党と国民の声が欠かせない。



画像:令和3年度予算のポイント/財務省、データで振り返る平成経済 バブル後、再生は道半ば/産経新聞


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