子どもの「語彙力格差」の原因とビジネスの連関性

【社会・ビジネス考察】 平成二十八年九月二十九日に記事『子どもの「語彙力格差」は母親との会話に原因がある/プレジデント社』が配信された。英会話のイーオンの代取・三宅義和と玉川大学大学院の教授・佐藤久美子が対談形式で、子どもの語彙力の格差を掘り下げていく。三宅代取は「小学校英語指導者認定協議会(会長:吉田研作)」の理事も務める。佐藤教授はNHKラジオ「基礎英語」の講師を務めた。


当該記事では「次期学習指導要領の中間まとめの発表」に触れながら、子どもの語彙力に格差があり、その原因は母親(家庭)にあると仮説した。格差は六歳児の語彙力が、二歳児レベルから十一歳児レベル迄にも開いているという。実際には佐藤教授は二歳児から格差が始まる、とした。母親に絞って調査を三項目で行った。第一は母親の応答タイミング、第二は母親が話す時間(接続時間)、第三は母親の撥音の明瞭性だ。




<上司の聴く力と話す力>

 これをビジネスに置きかえると、上司と部下の関係で置換できる。第一は上司の応答タイミング、第二は上司が話す時間(接続時間)、第三は上司の撥音の明瞭性だ。この三点が優れていれば、子どもの語彙力の様に、部下のビジネス語彙力は向上する。ビジネス語彙力が向上すれば、思考レベルが高くないし深くなり、生産性が上昇する地盤となるだろう。上司は部下への応答の早さ(リズム)を意識し、早めていく。ましてや意図的であろうが、うっかりであろうが、無視はしてはならない。次に上司よりも部下が話す時間を意図的に増やす。そして上司は不明瞭に小さな音量で、部下に話しをしてはならない。


当該記事においては、第三点を「ゆっくり」と佐藤教授が示すが、グローバル下のビジネスマンに「ゆっくり」は禁物だ。米国のニュースと日本のニュースは、スピードに雲泥の差がある。世界最大のGDPを誇る米国を基準にし、話しのスピードを上げる。日本語でもヒアリングとスピーキングの力が向上し、脳が高度化するであろう。「ゆっくりで完璧」よりも「拙速」がグローバル基準だ。築地移転の様に、修正は後からでも適う。“完璧”を求める事は、ビジネス的に悪である。

併せて追加するのであれば、助詞をきちんと遣う事。助詞抜きの会話は知能を低下させる。そして子ども扱いをして言語コミュニケーションの難易度を落とし過ぎない事だ。分からない言葉が多すぎてはならないが、少し分からない言葉を上司(親)が放つ程で成長する。赤ちゃん言葉は、自身と子の脳力を低下させる。


記者:金剛正臣

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