「オートファジー」肥満は老ける、筋トレは皮膚が若返りの仮説

【社会・美容考察】 平成二十八年十月三日に東京工業大学の栄誉教授・大隅良典(乙酉)がノーベル医学・生理学賞を受賞した。NHKが動画記事『「オートファジー」 その驚きの仕組みとは(画像引用)』で、仕組み「オートファジー(以下、AP)」について解説した。大隅教授は、二つの作用を判明した。「自食作用」と「浄化作用」だ。前者は、NHKの例えに依れば“赤ちゃん”。生まれてミルクを飲む迄の間の生命維持の為に「AP」がはたらく。体内の不要なたんぱく質等を分解し、リサイクルする。後者は、細胞内の老廃物を除去する。


そして「AP」には、アンチエイジング(美容)の効果の可能性も存在する。ここからは仮説となる。人それぞれ、「AP」にはレート(率)がある。APレートが高ければ、皮膚でいうところのターンオーバー(皮膚代謝)が早くなり、若返り(アンチエイジング)に貢献する。前出の“赤ちゃん”の肌はキメが細かく、すべすべしている。エイジングは肌の劣化だ。第二性徴期からエイジングが始まる。筋肉に関しては、二十五歳迄にある程度で造っておくと、アンチエイジングに繋がる。




<老化の三大要因>

 問題は肌の劣化だ。これは「AP」が正常に作用してない、ないし作用が弱いことを示している。何故ならば、表皮は空気に晒されている為、酸化する。生きていれば、皮膚として自ずと劣化していく。劣化しても真皮が次々に作られていれば、問題はない。綺麗な肌に戻るだけだ。しかし「AP」が作用しない状態になると、不要な損傷した皮膚(たんぱく質)と老廃物が表皮周辺に溜まっていき、ターンオーバーのスピードとパワーが落ちる。目詰まりの状態だ。


そこで「AP」が活性化しない状態が存在する。それは三要件だ。

  • 栄養過多(肥満
  • 酸化ストレス(活性酸素が過剰
  • 低酸素ストレス(普段の呼吸が浅い



意識して「AP」を動かす

 「AP」は飢餓ストレスの度合いで、作用のはたらきが変わる。肥満であれば、飢餓ストレスがゼロなので、「AP」作用がはたらかず、ターンオーバーしない、又はし難くなるだろう。肥満はどんどん老廃物を溜めていき、直に独特の臭いを発する様になる。詰まり、ある程度の飢餓状態が「AP」作用をはたらかせる。腹八分目は美容に良い。極度な食事制限はマイナスの作用を及ぼす。逆に満腹は老化を早める。次に活性酸素だ。適度な活性酸素は、バイ菌等から細胞を守る。活性酸素を適度に保つには、バランスのとれた食事と規則正しい生活、そしてストレス発散が有用だ。最後は呼吸の浅さ。現代人は呼吸が浅い。口呼吸の者が鼻呼吸の者より圧倒的に多い。口呼吸は老い、鼻呼吸は若返ると覚えてみよう。


これら三点のポイントを払しょくするものが、適度な運動と筋トレだ。呼吸が深くなり、全身の血行が良くなる。全身に至るところに溜まった老廃物・活性酸素を流すことが出来る。筋トレは筋肉をリビルド(再構築)するので、弥が上にも美容効果が高まるだろう。そう、筋トレは強制的なターンオオーバーだ。運動を行っている者は新陳代謝が高く、筋トレを行っている者は皮膚代謝が早い。筋肉が衰えれば、脳の力も衰える。筋トレで脳の力も上がる。



食と楽か、それとも若さか

 恒常的に意図的に「AP」作用を起させる。それが安定美容、アンチエイジングだ。楽は美容の大敵。飢餓状態を常につくれば、美容が常に行われる。その為には、少しお腹が減っている状態運動で大変な状態筋トレで辛い状態が高級な美容であろう。食と楽を選ぶか、それとも若さを選ぶか。重ねるが、こちらは未だ科学で証明されていない。しかし未来には、証明されるであろう。大隅教授が以下の様に述べた。


科学が役に立つという言葉が社会を駄目にしている。本当に役立つのは、百年後かも知れない。


尚、大隅教授のノーベル賞受賞に因り、「オートファジー」の関連銘柄であるタカラバイオ(4974.T1)、アステラス製薬(4503.T1)、トランスジェニック(2342.TM)、医学生物学研究所(4557.JQ)、コスモ・バイオ(3386.JQ)の株価が軒並み上昇トレンドである(報道現在)。



記者:金剛正臣

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