過去を引っ張り未来を作る「今」。TIFF「Japan Now」部門の意義

【社会ニュース】 平成二十八年十月二十五日から始まる『第二十九回 東京国際映画祭(TIFF2016 )』。「Japan Now」部門では、国内外で幅広く活躍し、アジアで絶大な人気を誇る日本を代表する映画監督・岩井俊二監督の特集を行う。それに先駆けて記者会見が十月四日に開催され、岩井監督の最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁/東映』の特別上映会も行われた。


「Japan Now」部門のプログラミング・ディレクタである安藤紘平は、同部門について「今が過去を引っ張り、未来を創るという事で「Japan Now」が一番大事。」と強く語った。外国は勿論、日本人にも今の日本映画を観て欲しいというコンセプトだ。「作品を通じて、日本の美意識や文化を知ってほしい。そして、それらを創ったクリエイタを紹介したい。」と、悪までも海外重視ではなく、作品重視で作品を選び、特集には岩井を選出した。




<日本映画の過去・現在・未来が一つのテーマ>

 岩井監督は、今回の特集について「リラックスして、映画ファン・映画批評家の方達と向き合い、一緒に映画を愉しめるので嬉しい。」と喜びを述べた。また海外での人気については、「自分でもこうなるとは思わなかった。「Love Letter(一九九五)/日本ヘラルド映画」を創るまで、隣の韓国にも行った事がなく、どんな人がいるのかも想像出来なかった。」と、自身の人気に驚きを隠せない。同作は、中山美穂と豊川悦司が主演した事で有名になった。更に中国での爆発的人気で、プロデュース等も行っている岩井監督は「中国だけでなく、日本も含め映画市場が広がり、盛り上がる方が、アート映画の居場所は創り易い。」と、今後の映画市場の拡大を願う。


TIFFディレクター・ジェネラル(会長)の椎名保は、今年のTIFFの新たなチャレンジは二つと語る。 一つは「ユース」部門の設立で、同部門は「チルドレン」「ティーンズ」の二部構成に分かれている。「日本映画クラシックス」部門と「Japan Now」部門に加え、ユース部門を設立する事で、日本映画の「過去、現在、未来」を一つのテーマとする。椎名は「ティーンズの主役はティーン、チルドレンの主役は子ども達。これからの映画を担う、若い人に向けて創設をした。」とユース部門の意義を明かした。


二つ目のチャレンジは野外上映だ。海外の映画祭で野外上映を観てきた椎名会長は、「多くの参加者が愉しんでおり、日本でも同じ様に愉しんで、映画に親しんで欲しい。」と、六本木ヒルズアリーナでの無料野外上映や映画祭に先駆けて芝公園にて行われる「プレ上映」も愉しんで欲しいと話した。


画像提供:㈶ユニジャパン

Japan Now部門「監督特集 岩井俊二」記者会見/東京国際映画祭

記者:原田眞吾

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