富士山を望むトヨタの実証都市『Woven City』建設へ

【ビジネス・社会報道】 トヨタ自動車(7203.T1)は、令和三年二月二十三日に静岡・裾野にて未来の実証都市『Woven City』建設の為の地鎮祭を行った。報道現在で同社は時価総額・二十六兆円。日本首位の企業。昨年に米・ラスベガスで行われたCESにて豊田章男(丙申)代取が構想を発表していた。


本Cityでは、地上に「自動運転モビリティ専用」「歩行者専用」「歩行者とパーソナル モビリティ」が共存する三本の道を網の目の様に織り込む。地下には、モノの移動用の道を一本作る。Cityの規模は三百六十人程度(初期)。シニア・子育て世代の家族・発明家達が暮らす。将来的には同社の従業員を含む二千人以上の住民が暮らし、社会課題の解決に向けた発明をタイムリーに生み出せる環境を目指す。


建設地には元々、同社の東富士工場があった。七千人が働いており、昨年に五十三年の歴史へ幕を下ろした。地鎮祭にて豊田代取は「東富士工場のDNA。それは弛まぬ改善の精神であり、自分以外の誰かの為に働く“YOU”の視点であり、多様性を受け入れる“ダイバシティ&インクルージョン”の精神です。これらが人中心の街・実証実験の街・未完成の街というWoven Cityのブレない軸として受け継がれて参ります。」と挨拶した。


都市部の若者・若手にとっての車の魅力は何か

 同社は「トヨタ生産方式」として改善・かんばん・ファイブWhy等、世界に誇る経営手法を生み出してきた。ただ、これは第二次・産業革命時の賜物であり、ネット・IT等の第三次には乗り遅れた。それは東京モーターショー等を取材して確認できた。同社はAI・ロボの第四次にフィットさせようと今回のCity構想があるが、「モビリティ」という至って分かり難い言葉を未だ排さない。


先月にソニー損保は「新成人のカーライフ意識調査」を実施。都市部の二十歳の免許保有率は五割を切り、車を持たない理由の一位に「購入費用を負担に感じるから」、二位に「維持費が掛かるから」と不景気の影響を受けている。だが、三位から五位には「交通事故・トラブルを起こしたくないから」「車以外の移動手段が充実しており、車に乗る必要性がないから」「交通事故・トラブルに遭いたくないから」が並んだ。


都市部の二十歳だけに限らないが、車の運転には人身事故という多額の損害賠償金の支払いリスクがある。それを忌避する。今では、自転車でさえ損害賠償金は上がってきている。


そのリスクのデメリットは昭和からも存在していたが、メリットが勝っていた。そのメリットの最たるものは、出逢いの場である。平成時代にシニア達が、出会いの場を悉(コトゴト)く禁止にしてしまった為、車を所有するメリットは最早なくなった。


この根本的な問題を本Cityが解決できるならば、都市部の若者・若手の考え方も変わるだろう。


画像:トヨタイムズ/トヨタ自動車㈱、ソニー損害保険㈱

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