【社会・教育報道】 令和三年三月二日にオンラインにて日本損害保険協会(会長:広瀬伸一)は、生活者向けに『巨大地震に備える~東日本大震災から十年~』を開催した。
セミナ付随のパネル ディスカスでは、専門家から公助・共助・自助の観点で「巨大地震に対してどのような備えを行えば良いか」をテーマに論じた。ゲストは、本年度の地震保険広報キャラクタである俳優・中尾明慶(戊辰)と女優・仲里依紗(己巳)の夫妻。
セミナでは、小五の時に宮城・東松島で震災を経験し、報道現在は語り部として震災を伝承している雁部那由多(ガンベ ナユタ)が東日本大震災当時の状況の振返りや震災への向き合い方について講演。続いて、岩手・大船渡で被災した谷地保険事務所・榊原昌宏(サカキバラ マサヒロ)が、震災現場での損保業界の取組みや顧客の生活を支える損保代理店としての使命について講演した。
<子へ何も教えない方が怖い>
パネル ディスカスで依紗は防災ママカフェ・かもんまゆ主宰へ「子どもには地震の事を教えても良いのでしょうか。変に怖がらせたくもなくて。」と質問。これに対して「どう伝えたら良いか、悩みますよね。家の子は小さいから、言っても分からないから、とおっしゃるママもいますが、逆です。小さい子だからと言って何も教えない方が却って怖い思いをしますし、その後のトラウマも強く残ってしまう傾向にあります。
防災ママカフェでは地震について、そのメカニズムから理解を促します。防災ママカフェに通っていた子のママから『家の子は熊本地震に際しても、必要以上に怖がらなかった』と伺いました。」と答えた。
また「宮城教育大」武田真一 特任教授は「伝え聞いた事であっても語り継ぐべきです。私は体験の有無に関係なく、震災を子ども達と共有し、命を守る教育の担い手になろう、それが世代を超えた力になるのだと呼び掛けています。産学官民メディアの働き掛けに加えて、伝承の担い手の訴えに触れる事で、次世代への伝承の担い手 が生まれ、教訓が繋がれ、備えが共有されるのです。」と、戦争にも通ずる伝承の在り方を伝えた。
以下は、パネリスト達が思うキーワード。
- 自分の為に忘れない/武田教授
- 人が繋がる事で防災力が高まる/中尾
- 防災は家族の笑顔を守る為の楽しい話/かもん主催
- 今年、もう一度見直す年に/日本損害保険協会・広瀬伸一 会長
「国土交通白書二〇二〇」では国民へ注意喚起している。三十年以内に「関東大震災」級が起こる確率は、『首都直下地震』で七十㌫程度、中京・近畿・四国南部・九州東南部まで及ぶ『南海トラフ地震』で七十㌫から八十㌫。
今、〇歳児なら三十歳になるまでに被災する可能性が高い事を示している。三十年後に起こる訳ではない。明日に来年に三大都市圏で「関東大震災」級が起きる確率も七十㌫以上。
日々、巨大地震への知識共有等の備えが必要だ。
画像:㈳日本損害保険協会、第2節 地球環境・自然災害に関する予測/国土交通省
[NHKスペシャル] もしも南海トラフ巨大地震が発生したら?シミュレーションCGとドラマで解説/YouTube(埋め込み禁止設定)
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