保護者の署名で『大学入学金』を一律三月末へ、「脱ゆとり世代」の熱き想い

【教育報道】 令和三年四月二十八日に文科省(大臣:萩生田光一)にて「入学金納入時期延長を求める学生有志の会」は、オンライン署名『入学しない大学には入学金を払わなくていいようにしてください!』記者会見を行った。


要求の宛先は同省、日本私立大学連盟、日本私立大学協会、国政政党の党首と文科委の委員長。要求は以下の通り。

  • 入学金の支払期日は、三月末に(納入期限は儒現前に公表を)
  • 政府が高等教育への支出増
  • 学生個人への支援



<受験生の選択肢を狭める現行制度>

 同会・糸井明日香は、現行の入学金制度を説明。これは「国公立の合格発表日」が私大よりも遅く、且つ「私大の入学金の納入時期」が国公立の合格発表日よりも前に設定している問題である。国公立を第一志望とする受験生と保護者は、より多くの入学金を私大へ支払う。


入学しない大学に平均三十万円/大学を支払っている(全国大学生活協同組合連合会「二〇二〇年度保護者に聞く新入生調査」)。併願数が増えれば、その分の入学金は増える。「国公立の合格発表日」は最遅で三月二十三日(後期日程)。この日以前に納入期限が来る入試方式は、九十一㌫に上る。


第一志望以外、入学金を払わない様に受験日程を調整する際の大学選択の割合も計算した。結果は、保護者の経済力によって第一志望に邁進できるか否か、となった。下記は第一志望の合格発表日と選択できる大学の割合。令和三年調べ。

  1. 第一志望が三月一日の場合;五十八㌫までダウン
  2. 同十日の場合(国公立前期);三十二㌫までダウン
  3. 同二十三日の場合(国公立後期);九㌫のみ


同会・五十嵐悠真は、「僕は学費問題の当事者ではないですが、下の世代にこの問題を残したくない。同じ様な思いをする人を下の世代につくりたくない。だから、この署名を始めました。」と人生の先輩として、立ち上がるに至った志を述べた。既に政党にもアクセスしている。


私大よりも学生重視へ

 司法府は入学金を以下とし、返金不可とした。

入学金は、その額が不相当に高額である等、他の性質を有するものと認められる特段の事情のない限り、学生が当該大学に入学し得る地位を取得する為の対価としての性質を有するものであり、
当該大学が合格した者を学生として受け入れる為の事務手続等に要する費用にも充てられる事が予定されているものというべきである。
そして、在学契約等を締結するに当たってその様な入学金の納付を義務付けている事が公序良俗に反するという事はできない(最判 平成十七年十一月二十七日「学納金返還請求事件」)


同会は入学金の返金を求めている訳ではない。あくまでも主に私大における入学金の納入期日を国公立の合格発表日後(三月末)にして欲しいというものだ。恐らく私大は、反対するであろう。少しでも受験生と保護者から入学金を得る為だ。各校の建学の精神に恥じるべき行為としか言えない。


ただ彼らは打開策も提示した。政府予算のおける高等教育への支出増だ。「高等教育に対する公財政支出の対GDP比」において上図の通り、日本はOECD平均を大きく下回り、韓国にも劣っている。シニア ファーストの付けを子ども・若者が払い続けている。如何にこの国のシニア達が子ども・若者にしがみ付いているかが分かる。


これを打破する方法は、財源『人財国債』である。第一生命経済研究所・永濱利廣(辛亥)首席エコノミストが先月に安倍晋三(甲午)前・総理が会長を務める勉強会で提示した案。建設国債以外は赤字国債とされており、国債発行がし難い。そこで人財へ投資する人財国債を以て、高等教育への支出増を実現する。これならばシニアへの支出も減らす必要が無い筈だ。


本案件は、現在・未来の子を育てる保護者達にメリットがある。保護者達は何をすれば良いのか。彼らの要求に賛同署名し、自身のSNSでシェアするだけだ。絶対数という世論があれば、立法・行政は動ける。反対に世論なくば、立法・行政は動けない、動いてはならない。


記事:金剛正臣

画像:入学金納入時期延長を求める学生有志の会、コロナ禍から浮かぶ、民主主義と「学費」の関係(下)/朝日新聞デジタル

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