『東京都 教育施策大綱』で子どもに求める資質が虐待級、大人達はやれてるか

【教育考察】 東京都(知事:小池百合子)は、令和三年三月三十日に『東京都 教育施策大綱』を策定した。全四十頁。四年振りの更新。子どもに求める以上、大人も実践すべき内容。本大綱のポイントを報じる。


新条例の『東京都子ども基本条例』に依れば、子どもとは十八歳未満。


都は「未来の東京」に生きる子どもの姿を以下に設定。生涯に亘って粘り強く挑戦し、自ら学び続けていく姿勢が大切とした。


A:自らの個性や能力を伸ばし、様々な困難を乗り越え、人生を切り拓いていく事ができる


B:他者への共感や思いやりを持つと共に、自己を確立し、多様な人々が共に生きる社会の実現に寄与する



以下が三点が基軸の「学び」。

  1. 子どもの個性と成長に合わせて意欲を引き出す「学び」
  2. 子どもの成長を社会全体で支え、主体的に学び続ける力を育む「学び」
  3. ICTの活用によって、子ども達一人ひとりの力を最大限に伸ばす「学び」;教育×DX


この三点の学びを実践する為の視点として、子ども目線を大切にする事と東京の強みを活かす事を挙げた。前者は、生涯に亘り自ら学び続ける素地を養う事、新たな気づきを得て主体的に学ぶ事。後者は、多様な人材等の豊富な社会資源とあらゆる分野で加速するDX。


「未来の東京」に生きる子どもの姿に対し、都(知事等の大人)が求める子どもの資質は以下の通り。


  1. これからの変化の激しい社会を生きていくに当たっては、子ども達自身に、生涯に亘って遭遇する課題や抱える悩みにしっかりと向き合い、能動的に解決しながら生きていこうとする姿勢が求められます
  2. 未来を切り拓く子ども達には、進化し続ける先端技術をどう使い、どの様な未来を創っていくのか、どの様に社会や人生をより良いものにしていくのかという目的を、自ら考え出す事ができる力が求められます
  3. その為には、文章の意味を正確に理解する読解力、授業で学んだ知識を活用して自分の頭で考え、その考えを表現する力、対話や協働を通じて知識やアイディアを共有し、新しい答えを生み出す力等を身に付ける事が必要です
  4. 同時に、知識の習得だけでなく、自分の可能性を自分で認め自己肯定感や自己有用感を持って、どの様に人生や社会をより良いものにしていくのか自ら考え、時にはリカレント教育にも挑戦しながら、その持てる力を不断に伸ばし、発揮していく事ができる様にする必要があります


  1. 多様な人々が共に暮らす社会においては、様々な背景や価値観を持つ人が、違いを認め合いながら、支え合う事となります。その様な社会を生きる子ども達には、自分をありの儘に受け止めるとともに、他者を大切にし、お互いを理解、尊重する気持ちを育てる事が重要です
  2. 特に、デジタルツールを介したコミュニケーションの機会が益々増加していくこれからの社会においては、これまで以上に相手の状況や立場を理解し、共感と思いやりの心を持つ事が不可欠です
  3. また、新たな社会を築いていく意識を持ちその為に何をすべきか、自ら考え、行動する事ができる力を身に付けていく必要があります
  4. 我が国には、礼節を重んじ、互いに助け合って生活する国民性や美徳があります。こうした伝統を、道徳教育等を通じて引き継いでいくと共に、他者への思いやりや掛け替えのない生命を大切にする気持ちを、一人ひとりの子どもに確実に育んでいく事が重要です

<子どもに無理難題を押し続ける大人達>

 こういった事を実現する為の取組みの中に「子ども達が将来への希望を持つ為に」が記されている。肝心な事が欠けている。上記までの事を都知事等の大人が、そもそも実践ないし会得しているのか。都知事は記者会見にて未だに、憲法に抵触する「質問記者(知る権利;二十一条)の選別・排除」を行い続けている。子どもに見習えと、言うのか。


「子どもを導く教員」についても触れており、教員の重要性にも触れているが、学校長やPTA、教育委の姿勢を子ども達が常に参考にするべきものなのか。


百合子都政は兎角、美辞麗句が多過ぎる。結果、碌に実績が無い。本大綱は大変に素晴らしい内容であるが、現状の大人達を見れば、実現性に懐疑的にならざるを得ない。社会主義が大いに反映された「ゆとり教育」を受けた「ゆとり世代」は賢くなり、心も美しかったが、現実の社会(大人達)とのギャップに苛(サイナ)まれ、病みやすくなってしまった。



都庁や都議会の大人達は胸を張れるのか

 百合子都政は社会・共産(独裁)主義的なので、ゆとり教育の様に本大綱で育った子ども達が大人へ成長する際に、本大綱に適った大人達が圧倒的に少ない事で心に蟠(ワダカマ)りを残すだろう。


都知事や副知事、都教育委、各局長、都議会議長は少なくとも本大綱における子どもに求める資質を満たしているのだろうか。自信があるのであろうか。大人がまるでできないのに、子どもへ求める事は虐待ではないのか。


これが日本の教育の失敗の根源と断言できる。

子どもに言うなら、先ずは大人から。これが教育の基本である。


さて若者・若手を代弁する日本唯一の報道機関の指摘を都は「他者を大切にし、お互いを理解、尊重できる」だろうか。


記事:金剛正臣

画像:東京都教育施策大綱/東京都

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