【軍事書籍】 軍事は政治の一つ。平成二十九年十一月に政治学者・藤井厳喜(壬辰)は、『太平洋戦争の大嘘/ダイレクト出版』にて日本国民と米国民に向けて戦後の「ルーズベルト(自虐)史観」が嘘である事を発する。日本が『日米戦争』を仕掛けた訳ではない。
報道現在で十八万部突破。令和二年十二月で第二十一刷。
民主党・フランクリン ルーズベルト(壬午)は、大東亜(太平洋)戦争時の米統領。日米戦争中に死去。本書ではFルーズベルトが日米戦争を引き起こしたとする共和党・ハーバート フーヴァー(甲戌)元統領の回顧録「裏切られた自由/草思社」を基に構成されている。フーヴァーは、ルーズベルトの前代。回顧録は分厚く、上下巻に分かれている。
藤井の本書では、ルーズベルトが三つの大罪を犯したと断じる。それらを包み隠した日本の戦後史観が「ルーズベルト(自虐)史観」。戦後のGHQと内閣は左翼・共産主義であった為、大学や日教組等の日本の教育は、戦前日本を全否定する自虐史観となった。これを今でも引継いでいるので、日本人には根本的に自信が無い。典型例はゆとり世代。この世代は左翼・共産主義思想の最大の被害者と視る。
藤井は巻頭にて「反日プロパガンダ(政治宣伝)は、日本の国そのものに対する攻撃である」と断じる。朝日新聞や毎日新聞、NYタイムズ等のメディアを名指しして反日プロパガンダとする。
<結果的に共産主義戦争>
第二次大戦は「ファシズム・軍国主義vs民主主義」ではなく「先進・資本主義(英米等)+共産主義(ソ)vs後進・資本主義(日独伊)」とした。
民主・ルーズベルトはソ連・ヨシフ スターリン(戊寅)最高指導者の信奉者。資本主義の未来形が社会主義・共産主義と信じていた。死去後に就任し、原爆を日本に落とした同・ハリー トルーマン(甲申)元統領は共産主義に懐疑的であったものの、GHQは日本にて共産主義を推してしまった。その後、百八十度転換して「赤狩り」をするが、時すでに遅し。
本書は日露戦争から踏まえ、何故に無謀な日米戦争へ突入してしまったかを地球規模の視点より考察している。エリートが知っておくべき歴史だろう。そして、第二次大戦によって一番得したのが、共産主義のソ連・中国と結論付けた。もし、日米戦争を開かなかった場合のシミュレーションも列記している。
共産主義が優勢の令和初期
令和時代の最初は、米中ツートップの世界。日本の経済は低迷し続け、ロシアは軍事力を強化し続けている。昭和時代・後期の日米ツートップの世界とは異なり、平成時代を経て様相が変わった。社会主義・共産主義が勢いを増している。国際連盟でも資本主義・自由主義が多数派を形成できなくなってきている。
令和三年三月二十五日に民主・ジョセフ バイデン(壬午)米統領は、最初の記者会見にて「autocracy(独裁主義) or democracy(民主主義)?」と表現。日本の左派・左翼の報道機関は「専制」と濁して翻訳しているものの、社会主義・共産主義は独裁志向である。日本の政党も同じ。これは軽微な社会主義を否定するものではない。程度の問題である。社会主義は行き過ぎると、共産主義となる。社会主義の想いが強すぎると、都知事の様に独裁志向となっていく。
現在の世界に影響を与える実質的な独裁者は三人。中国の習近平(癸巳)主席、ロシアのウラジーミル プーチン(壬辰)統領と朝鮮民主主義 人民共和国(北朝鮮)の金正恩 総書記。ロシアは脱・共産化済み、憲法上は民主主義国家。北朝鮮は憲法から「マルクス・レーニン主義」が消えた社会主義国家。中国のみ「マルクス・レーニン主義」を掲げる共産(独裁)主義大国。
本書の様に大きな歴史の流れを知る事で、現在の構図が見えてくる。
日本は、欧米の植民地主義を終わらし、共産(独裁)主義が世界に蔓延しない様に大東亜戦争を闘った。だが共産主義を推した対米戦で敗け、令和時代・初期には共産(独裁)主義の中国が大躍進し、国内でも共産(独裁)主義の報道機関・ネットメディア・政党が力を付け続けている。
これが共産主義者が得意とする「間接統治(洗脳)」。独裁主義を望まない者は、間接統治を構成する要素を封じ込める必要があるだろう。
記事:羽田野正法
画像:Amazon、FPhime
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