世界市場は七十五兆円へ増大|第五回『インパクト投資に関する勉強会』

【金融報道】 金融庁(大臣:麻生太郎)は、令和三年五月二十日に第五回『インパクト投資に関する勉強会(座長:水口剛)』を開催した旨を伝えた。GSG国内諮問委員会(委員長:小宮山宏)との共催。オブザーバは内閣府、外務省、財務省、経産省と環境省の一府四省。


インパクト投資とは、財務的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的及び環境的インパクトを同時に生み出す事を意図する投資行動。「リスク」と「リターン」に「インパクト」という第三の軸を取入れた投資。且つ、事業や活動の成果として生じる社会的・環境的な変化や効果を把握し、社会的なリターンと財務的なリターンの双方を両立させる事を意図した投資(同委)。


今回のテーマは「インパクト評価」。上場株式・債券のインパクト投資や日本における上場企業向けインパクト ファンド等の事例を紹介。パネルディスカスも行った。



<国内ポテンシャルは二.六兆円>

 令和元年末のインパクト投資の世界市場規模は七十五兆円と推定(GIIN)。資産クラスの残高割合は「プライベート デット」「上場株式」「プライベート エクイティ」「実物資産」「公募債」の順で計九割となっている。上場株式インパクト投資は他の資産クラスに比較して近年増加傾向と社会変革推進財団は分析。


日本でのインパクト投資の残高は〇.五兆円(同委)。市場の最大推計値は五倍の二.六兆円。インパクト投資のポテンシャルの事だ。資産クラス「上場企業」の割合は、先の世界と比べて日本は十㌫程、大きい。


一方、「SDGs債(ソーシャル ボンド)」の発行額は、令和二年時点で十四.四兆円(同庁)。発行額が二千二百億円の国内では、SDGs債が「気候債(グリーン ボンド)」を上回る程の拡大ぶり。SDGs債且つ気候債のものを「SLB(サスティナビリティ リンク ボンド)」という。


0コメント

  • 1000 / 1000