財審はシニアを“緊縮財政”、子育て世代には“安定財源”をと|財政健全化に向けた建議

【財政・経済報道】 令和三年五月二十一日に財務大臣の諮問機関・財政制度等審議会(会長:榊原定征)は、麻生太郎(庚辰)財務大臣へ『財政健全化(政府黒字化)に向けた建議』を手渡した。


新型コロナへの対応では繰越分、本年度予算の執行と予備費の活用による支援の実施を求めた。「業態転換や生産性向上に取組む主体を支援し、成長力強化に繋げていくべき」とし、経済再開による民需の回復、繰越分執行の効果等を踏まえた経財運営に当たる必要を訴えた。


政府黒字化の必要性では「社会保障」制度の持続可能性を高め、PBを黒字化・新規国債発行額の総額を確実に減らす事が必要と訴えた。社保の受益と負担の不均衡が、現役世代の保険料負担の増加や将来不安に伴う消費の抑制を通じ、経済を下押ししていると認識している。短期国債の大幅増は、金利変動に対する脆弱性を齎す点も指摘した。




<医療費を中心にコストダウン>

 元年度から三年度の「基盤強化期間」では、PB改善や社保の制度改革・効率化の推進に重要とした。社保の見直しは、複数年度の継続的・安定的な取組みが必要と訴えた。少なくとも「団塊世代」が後期高齢者になり始める四年度からの三年間は、基盤強化期間における歳出の目安を継続し、歳出改革を引続き実施すべきとした。


国家予算において、社保関係費は全体の三割を超え続けている。内、「年金」と「医療費」が圧倒多数。後者の伸び率が近年、目覚ましい。後期高齢者の医療費は格段に増える。厚労省の調査では、若人と比較して入院代が七倍に迫る(平成二十八年度)。


財審は、医療費を抑える為に「後期高齢者 医療制度の更なる見直し」「国保改革の徹底」「生活保護受給者の国保等への加入」等の必要性を訴えた。医療費の徹底コストダウンを図らないと、消費税の様に子ども・若者・若手の日々の負担は更に年々増加していく(例;消費税十五㌫等)。


一方では「子ども・子育て」につき、真に子どもや子育て世代の為になる支援に重点化し、安定財源を確保しながら必要な施策を検討すべきと訴えた。



年々増す現役世代の負担原因

 財審は社保において、「高齢化進展中で受益(給付)増 に負担増が追い付いておらず、国債発行を通じて将来世代へ負担が先送りされる事で、受益と負担の対応関係が損なわれてきた。また、特に医療においては、七十五歳以上の医療費の財源の約四割を現役世代の支援金が支えている事から、近年の高齢者の医療費の増加と現役世代の減少により、支え手である現役世代の保険料負担は年々重くなっている。


この十年間で視れば、現役世代の一人当たり保険料は年額で八.一万円(四十三㌫)増加している。」と、現在の財政支出がシニア世代へ偏っていると分析している模様。


若年世帯はコロナよりも「年金・医療等での財政悪化」を懸念しており、老後の生活資金への貯蓄が大幅増。金融経済へのエントリは増えているものの、実体経済での消費活動は低迷傾向。若年世帯が動かないと、どの国でも経済は動き難い(世代毎による消費性向の違い)。日本の消費の担い手である若年世帯が、年金・医療への社会不安により、日本経済の下押し要因となっている。


結婚も避け、子ども(出産)も教育費高騰から避け様とする。シニアに財政支出を増やすと、日本経済は低迷し、少子化が進行する。大本の原因は、中堅・シニアが日本の未来を真剣に考えないで選挙で投票している事に他ならない。よって、若者・若手は自身達の為、子ども達の為に平成時代からの中堅・シニアの過ちを繰り返さない様に真剣に考えて選挙で投票し続ける。


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