「マクロ経済政策」の基本

【政経・財政考察】 景気を良くする。これが政治家と官僚の仕事である。


しかし、平成バブル以降で日本は碌にGDPが増えなかった。よって国民は景気が良くなったとの実感が薄い。その理由は、三十年ちかくも政治家と官僚が経済政策を間違ったからに他ならない。これからの三十年の経済政策を間違えない為に、基礎的な知識を若者・若手は押さえる。中堅・シニアの大失敗を繰り返してはならない。


政治家と官僚の集合体である政府が主に担当するのは、「マクロ経済政策」。上図の様に大別して二つある。A「財政政策」とB「金融政策」だ。Aでは歳入と歳出で政策を考える。歳入では税や国債等。歳出では社会保障や公共投資等。Bは公定歩合・公開市場・支払準備率の三操作がある。金利の上げ下げや日銀が国債や手形を市場で売買をする。


令和初期においてAは「実体経済」、Bが「金融経済」へ影響を及ぼす。これは社会主義国家がグローバル市場に参入してきた為、旧来の経済学が通用しなくなったからだ。



<金融政策は成功、財政政策は一部成功>

 次に安倍・菅両内閣の成果をみる。安倍内閣は結果的に金融政策で成功し、日経平均等の「日本の株価」を内閣発足前よりも数倍上げた。金融資産を増大させた当時の若者・若手もいた。日本は世界で最も純金融資産を有する超大国。安倍内閣は実体経済も上げる為に国債発行(財政出動)を試みたが、財務省に阻まれ、更に二度も消費税を増税されてしまった。世論が押し返せなかった。よってGDPは増大してない。


しかし報道府や税理士の政治家等により、簿記や「国債発行=国民の借金」ではない点の知識が広まり、年に二百兆円ちかい国債超発行を実現。コロナ禍にも関わらず、先進国では優秀な「失業率」をマーク。続く菅内閣も安倍内閣を踏襲し、日本経済の強い足腰を鍛えている。


GDPは増大してないものの、企業の内部留保は五百兆円とGDPに迫っている。これは財務省が上手く利用されてしまった事に他ならない。商人は役人よりも何枚も上手だ。今の財務官僚ならば、知識が薄いので大企業はやり易いだろう。財務大臣がいくら吠えても、大企業は内部留保を取り崩す(積極的に投資する)気が無い。それは財務官僚や経産官僚の政策では儲からないからに他ならない。


これでは国民の所得は増えない。


GDPとは国内総生産。三面等価であるので「国内総所得」でもあり、「国内総消費総需要)」でもある。GDPが増えてない、という事は国内の所得は増えておらず、消費も増えてないとの意味だ。政府、特に財務官僚と経産官僚がやるべき事は、国内における消費喚起に他ならない。今の事務次官等の意思決定者(上長)は、国民に消費を促すセンスが無い。その間、三十年。



残るは実体経済の上昇

 消費減税を訴える野党がいるが、これは「乗数効果」の面で芳しくない。公共投資の率の方が良い。決して同時にやってはならない。効果分析ができない為だ。


少子高齢化は進んでいるので、歳出「社会保障関連費」はまだまだ増大する。この使ったお金は殆どが返ってこない。増えないので投資ではなく、単なる費用だ。だからといって、社会保障を削る訳にもいかないだろう。


そして歳入「税」を増やそうとする。基本は個人の所得税と企業の法人税だが、今のセンスが無い財政政策では税収増とはならない。東京都が典型的だ。飲食店は納税者だが、都の貯金を使い果たし、飲食店を潰しにかかっている。これでは未来の都税が減る。まるで財政のセンスが無い。


となれば、財務官僚は残る消費税の増税となる。


馬鹿丸出しである。「東大」法学部だらけだから仕方がない。インフレ率を上げる事がマクロ経済政策として重要なのだから、公共投資(有効需要)を増やし、税収を上げる。これが王道だ。しかし、彼らは国民が消費をしたくなる様な政策を打てない(気持ちが分からない)ので、王道をせずに、江戸幕府の藩の様に、ただ庶民から税を搾り取ろうとする。平成・令和時代に江戸時代の徴税をしている。この程度の知能指数が現実だ。



<現状の金融緩和を続け、国債を発行し、的確な公共投資を行う>

 これが令和の王道。国債発行額が増えれば、世界的に日本の貨幣信用が落ちるとの見解がある。世界の先進国はインフレ率の通り、経済成長している。その中で日本だけが経済成長してない。この様な中、日本が国債発行をしようがしまいが、信用が落ち続ける事が分からないのだろうか。稼げない人間は信用が下がる。


少子化は進むので、未来に亘って人口増での税収は伸びない。これは財務官僚を筆頭とする財政政策が失敗しているに他ならない。産みたくない。ないし産めない。詰まり、今の財務官僚の頭の悪さが日本国の信用そのものを落としている。


全ての悪因は、財務官僚が「公共投資先」に口出しする事。直近十年、二十年の乗数効果をみれば、財務官僚のセンスの無さは明白。今の優良な投資先を見つける主力は経産・環境官僚だろう。グリーン投資に環境官僚は欠かせない。一方、中国の財務官僚等は中国IT企業への積極投資により、毎年平均で二十㌫増を中国GDP詳細から確認できる。



重要四官僚

 日中の官僚の差がGDPの差だ。どのぐらい開いているかは、上図から一目瞭然である。日本の中小零細にも優れた企業はあるが、ここへ公共投資(B2G)してない事が問題である。有望な中小零細へ投資をする為に、今、菅内閣はDXや中小刷新、対日直接投資を行おうとしている。しっかりと中小零細をサポートできる官僚が必要だ。その為には、官僚自体を増やさなければならない。準(非正規)国家公務員でも構わない。これも公共投資である。


子どもへの投資も税収増の要因。米中を超える教育によって、税収は未来に増加する。信用増加。文科官僚の強化も欠かせない。これで分かるだろうが、今の日本官僚は驚く程に生産性が低い。生産性を高めるべきは、各省の上長そのものである。年功序列を排し、実力主義に変えるべきだ。生産性の低い上長のせいで国民が困る。特に若者・若手が何故か責めを負っている。


以上より、的確な公共投資を令和時代に行う。具体的な政策を作るのは、財務官僚・経産官僚(中小企業庁を含む)・環境官僚・文科官僚の四官僚。そして国会で官僚を追求できる政治家(野党)の強化も当然に欠かせない。新エリートの育成だ。


一部エリートはハイムから学んで適用してる様だが、この四官僚と国会議員が基礎的なIT(クラウドの利活用程度)を学び、簿記・財務を学び、統計を学ぶ。併せて都職員も学ぶ。彼らをジャッヂできる様に若者・若手の国民も学ぶ。これに「関係ない」「学ばない」と言えば、今まで通り、ここから三十年間、一度も景気は良くならないだろう。


最低でも中国の政治家と官僚を超える。実力で。


皆がたくさん消費をしたくなる様な社会を創る。


記事:金剛正臣

画像:FPhime、日本の名目GDPは世界第3位/日本生命

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