今後の日本は「米中GDP」に『新・高度経済成長期』で迫れる根拠

【経済考察】 日本経済が再び上向く事はないのか。過去の歴史、実績から考察する。


今回に用いる指標は『購買力平価(PPP)GDP』。報道で一般的なドルベースの「名目GDP」とは異なる。国際貿易投資研究所・高橋俊樹 研究主幹は前者を「各国の物価水準の違いを考慮しており、各国のGDPを生活水準に見合った形に修正し、実質価値(購買力)を比較する事ができる。」とする。


後者を「投機等の要因が入る為、変動が激しく、必ずしも各国の価格水準による違いを反映していない。従って、ある経済の生産とそこに住む人々の生活水準の実質価値を過小又は過大に表示する可能性がある。」とする。


詰まり、PPP GDPは為替変動を加味したGDP。「実質GDP(物価変動を加味)」とは異なる。



<江戸時代から眺めてみる>

 このPPP GDPで江戸時代からコロナ禍まで視る。画像はグラフ動画の「WawamuStats」。江戸時代等は正規の統計データが無いので、あくまでも凡(オオヨ)その目安。今回、考察するのは日本経済の未来性なので、詳細な数値を欲しない。



以下が、時代毎の日本国の順位。小数点以下を切り捨て、上位国との倍率は整数。

  • 寛政十二(一八〇〇)年「江戸時代」:八位(対中;十倍
  • 明治元(一八六八)年「明治維新」:九位(同上、対露;二倍)
  • 明治三十七(一九〇四)年「日露戦争」:同上(対米;七倍、対中;四倍、対露;三倍)
  • 昭和十二(一九三七)年「シナ事変」:同上(対米;六倍、対独中;三倍)
  • 昭和二十(一九四五)年「終戦」:十位(対米;十九倍、対独英;四倍)
  • 昭和四十八(一九七三)年「高度経済成長期(終期)」:三位(対米;三倍、対ソ;一倍)
  • 平成三(一九九一)年「バブル崩壊」:二位(対米;二倍、対中;〇.五倍)
  • 令和二(二〇二〇)年「コロナ禍」:四位(対中;五倍、対米;四倍、対印;二倍)


下線は三本ある。世界首位と日本国との差が十倍以上の時代・時期だ。明治時代から第二次大戦の終戦まで日本国は世界ランク十位程度である。五位以内なのは、ここ五十年程度。最高位の二位であった「バブル崩壊期」でも首位の米国とは二倍以上の差があった。


現在の世界ランク首位は中国。その差は五倍。既に日本国はインドにも抜かれているのが事実。しかし、差は十倍未満である。先人達は十倍差の世界首位に張るべく、邁進し、実現してきた。「終戦時」に至っては二十倍ちかくも差があって、その後の高度経済成長とバブルによって、二倍まで詰めた。


その日本国を中国は倣ったからこそ、三十年で米国を追い抜いている。



急いで第三次・第四次産業革命中

 さて、日本国にとって五倍は抜けない差であろうか。否。五倍程度は抜ける差である。報道府が唱える通り、令和『新・高度経済成長期』に走れば、再び詰め寄る事はできるだろう。それは今から五倍も生活が良くなる事を意味する。池田隼人(己亥)元・総理の「所得倍増計画」では、倍増ではなく、名目GNI(国民総所得)を四倍にした。


明治から昭和までの日本国は、第一革命(軽工業)と第二革命(重化学工業)を発展させてきた。戦後の昭和では、朝鮮戦争の特需や国際政治(為替)等で大いに躍進する土台を創った。ただ、平成の第三革命(IT)で大いにこけた。驚く程にこけた。今の永田町の中堅・シニアを見れば分かる通り。ITに疎い者が国会で法律を議論している。


前・安倍内閣は国際政治を取り戻し、財政拡大の限界を突破。続く現・菅内閣は、DXという永田町・霞ヶ関の第三革命に向けて、令和で漸(ヨウヤ)く着手。DX庁ができるのは今秋。本当に遅いが今からなのだ。国際政治では、脱炭素の「グリーン」とコロナ戦争等の「公衆衛生」が成長分野。先の日米首脳会談で方向性が一致している。大投資はこれから。


日本全国の第三革命(DX)を進めながら、第四革命(AI・ロボ)も深掘りしていく。


<真・グローバル時代の到来>

 そして何よりも非・グローバル系だった国家群が、続々とグローバル市場へ参入してくる。中国が典型例。今までは資本主義系のG7等でグローバル市場を形成していたと言っても、過言ではない。TPPやRCEPも典型例。先進国以外は日本へアクセスしてないに等しい。特に、北朝鮮の市場開放やロシアの本格グローバル参入等が大型案件となるだろう。


来る真のグローバル市場の大前提は第三革命(DX)。日本国の中小・零細の内、七割がDXすれば、成長角度が大いに変わる。次いで第四革命(AI・ロボ)を駆使した商品・サービスをDX済みのアジア各国へ売り込む。ポイントは“日本品質”ではなく、“アジア品質”から。


同時に金融リテラシと開業率も高め、日本国政府の大投資により、令和『新・高度経済成長期』が訪れる。圧倒的な税収増で、財政健全化は再び成る。今の中国は確かに強い。しかし、民間の借金はデフォルト水準まで達しており、億人単位で高齢化が進み、社会保障費が世界最大になっていく中で未来に陰りが見えるだろう。



若者・若手で政経を

 今までの日本国三十年とは異なる。それは、渋沢栄一(庚子)の玄孫も「繁栄の三十年」と唱える。渋沢は西洋経済学にはない「シブサワ循環(三十年周期)」を提唱。この循環だと令和三十二(二〇五〇)年まで日本国は繁栄する。


十年前に報道府が誕生し、報道映像のIT化を推し進めてきた(報道映像の第三革命)。結果、新聞・民放はIT化が一巡。次いで、美容(健康)・ビジネス増進の為に筋トレ報道を開始。筋トレは一般化した。その後、報道府は報道内容の高品質化に着手。一部の出版社や専門家等が更に高尚な記事や動画を配信し、国民の「財政」等への興味を喚起。財政リテラシが増大。結果、世論の強さで安倍内閣が財政で限界突破できた。財務官僚に対抗できる国民が今はいる。


選挙の方では若者・若手を中心に報道し続け、若者・若手の議員が数多く誕生。各党の若手率も上昇の一途を辿っている。議会で若者・若手が三分の一を占めれば、大いに意見が通るであろう。報道府は若者・若手の力で十年以上、変えてきた。これらからも日本国を変えていく。


若者・若手で構成されるビジネス群(経済)と若者・若手で三分の一を構成する議会(政治)の両輪が揃えば、失われた三十年を脱せる。その後は繁栄である。世界首位とのGDP十倍差までは大丈夫であろう。両輪揃えば、迫れる。高齢化問題は「シニア人材のIT化」及び「税収増大」により、矮小化する。

一億人だけを対象にするべからず。四十六億人のアジアが市場だ。


記事:金剛正臣

画像:Top 20 Country GDP (PPP) History & Projection (1800-2040)/YouTube

引用:なぜ日本は米国よりも一人当たり購買力平価GDPの順位を下げるのか ~米国を除くTPPよりも大きい米国の購買力~/㈶国際貿易投資研究所、日本は戦前には既に大国だった/Ameba

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