【経済報道】 菅義偉(戊子)内閣総理大臣は、令和三年六月十八日に総理大臣官邸にて第九回「経済財政諮問会議」及び第十二回「成長戦略会議」を合同で開催した。日本経済において最も重要な『経済財政運営と改革の基本方針 二〇二一(骨太の方針案、四十二頁)』と「成長戦略実行計画案(三十八頁)」を取り纏めた。閣議決定済み。B2G案件。
本方針の副題は「日本の未来を拓く四つの原動力」。グリーン・デジタル・活力ある地方創り・少子化対策にて日本経済の成長の源泉とし、「デフレに決して戻さないとの強い決意の下、外需(TPP11等)を取込みながら、あらゆる政策を総動員して経済回復を確実なものとしていく。」と意気込む。その為に「賃上げモメンタム(勢い)を維持・拡大し、成長と雇用・所得拡大の好循環を目指したマクロ政策運営を行っていく。」と実体経済に比重を置く。
以下に、本指針からの菅内閣の意気込みを綴る。若者と女性が幾度も挙がっている。
- とりわけ若い世代やベンチャを始めとする若い企業を中心に、過去の成功体験に囚われない自由な発想による変化への挑戦が生まれており、これまで進められなかった課題を一気に進めるチャンスが到来している
- 内外の直接投資も拡大して我が国の稼ぐ力を向上させ、経常収支が安定的に黒字化する状況を維持してショックに強いマクロ経済構造を保持していく
- グリーン化、デジタル化、地方の所得向上、子ども・子育て支援を実現する投資を重点的に促進し、長年の課題に答えを出し、力強い成長を実現して世界をリードしていく
- 六百兆円経済(GDP)の早期実現と財政健全化目標の達成を目指す
- 政府が呼び水となる人材への投資と制度改革を大胆に行う「ヒューマン・ニューディール」を通じ、民間の創意工夫や投資を促し、社会全体で人材を育成する大きなうねりを起こしていく
- 意欲と能力のある若者が活躍でき、多様な経験を積みながらキャリアアップを行える様にする
- 女性のキャリアアップ支援の強化等を通じ、男女の賃金格差を解消すると共に、理系分野を始め多様な分野での女性の活躍を促す
- グリーンとデジタルにおけるイノベーションや変革、女性や若者等多様な人材の活躍を通じ、我が国が持つソフトパワーも活かしつつ、強い経済を作り上げ、改革・イノベーション志向の国であり続ける
- 結婚・出産の希望を叶え、安心して子育てしやすい社会を実現する
- 女性や若者、中高年を始め、多様な人材がそれぞれの能力を発揮し、エンゲージメントを高めなが ら活躍すると共に、こうした人材が地方移住や二地域居住を通じて地方でも活躍し、その活力が維持・発展する社会を実現する
- 「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を実現し、自由で開かれた海洋秩序を維持・強化し、世界の平和と繁栄をリードする
- 特に深刻な影響を受けている事業者に対し、資本性資金(劣後ローン等)を通じた財務基盤の強化を着実に実行する
- コロナ後の新しい経済に対応する事業再構築やDXに向けた企業の挑戦に対し、補助金や税制、金融支援の着実な実行を通じて強力に後押しする
- 女性を中心とする自殺者の増加に対するSNSを含むきめ細かい相談支援の他、望まない孤独・孤立を抱える方々に対する民間団体等を通じた寄り添い型の支援を引続き、強力に後押しする
具体的な四原動力の施策は別報にて。
写真:総理大臣官邸
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