図でみる中国の脅威|令和三年版『防衛白書』

【軍事報道】 防衛省(大臣:岸信夫)は、令和三年七月十三日に本年版『防衛白書』を公表した。四部構成。全六百八十一頁。併せて防衛白書をPRする為、「防衛白書動画コンクール」の募集も十四日より開始した。応募資格は無制限。〆切は九月三十日。


防衛白書の刊行につき、岸防衛大臣(己亥)は「我々は、志を同じくする仲間と手を携え、インド太平洋地域における普遍的価値の旗手として自由を愛し、民主主義を信望し、人権が守られない事に深く憤り、強権を以て秩序を変え様とする者があれば断固として、これに反対していかなければなりません。」とコメントした。


七月十三日に記者会見にて中・外務省の趙立堅(壬子)副報道局長は「中国の内政に乱暴に干渉し中国の正常な国防建設や軍事活動を不当に非難し中国の脅威を誇張している。」等と時事通信が報じた。中国にとっての「内政干渉」とは、台湾及び沖縄・尖閣諸島を指しているものと思われる。



本年版の特集は以下の三つ。

  1. 防衛この一年
  2. 災害派遣の歩み
  3. 宇宙・サイバ(情報空間)・電磁波領域における挑戦


三では、従来の「陸海空」に新たな領域「宙情電」を加えた六領域にて防衛省が『領域横断作戦/多次元 統合防衛力』を執っている。中国(主席:習近平)は既に六領域を含む『超限戦』を執っている。日本には具体の軍事六領域において防衛する能力が求められている。防衛省は四頁で宙情電を簡易にまとめた(参照:最下部記事)。



以下は日本の安保(第一部)のダイジェストより。

  • 技術進化が安保に大きく影響;宙情電の重要性、ゲームチェンジャ技術(AI技術、極超音速技術、高出力エネルギ技術等)
  • 一国のみでの対応が困難な安保上の課題が顕在化
  • 日本国周辺には、質・量に優れた軍事力を有する国家が集中
  • より重大な事態へと急速に発展していくリスクを内包


  • )中露等によって権威主義化が進むと共に、感染症の拡大や気候変動、 核拡散等の世界的な課題を抱える新たな時代に対応しなければならないとの認識表明
  • )中国の軍事動向等は、国防政策や軍事に関する不透明性と相まって、日本を含む地域と国際社会の安保上に強い懸念;国防法/令和二年
  • 中国が急速に軍事力を強化する中、米中の軍事的なパワーバランスの変化が、インド太平洋地域の平和と安定に影響を与える可能性
  • )台湾情勢の安定は、日本の安保や国際社会の安定にとって重要。一層緊張感を持って注視していく事が必要
  • )日本の安全に対する重大且つ差し迫った脅威;多弾頭技術、「極超音速 滑空飛行弾頭」、原潜、固体燃料推進のICBM等
  • )核戦力を含む装備の近代化を推進している他、露国外に軍の拠点を確保する等と遠隔地への軍の展開能力を高めつつある;中国との連携強化の動き

画像:令和三年版防衛白書/防衛省

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