共産「全体主義に在らず」、政権交代に現実味じわり

【政治報道】 令和三年七月十九日に記者会見にて日本共産党(委員長:志位和夫)の小池晃(庚子)書記局長は、自党が「全体主義」政党ではなく「民主主義」政党である旨を強調した。書記局長は「幹事長」に相当する。


これは、立憲民主党(代表:枝野幸男)、国民民主党(代表:玉木雄一郎)と日本労働組合 総連合会(連合、代表:神津里季生)の三者による政策協定・選挙協力に関するもの。


本協定では左右の全体主義を排するべきとし、十五日に国民・玉木代表(己酉)が共産を全体主義と名指した件につき、共産・小池局長が反論。「我が党は戦前から軍国主義・ファシズムと闘い続けて、今も綱領に明記している通り、民主主義と自由を何よりも大切にしている政党であり、全体主義と対極にある政党であります。」と冒頭で述べ、玉木代表の発言への撤回を伝えた。


立憲・枝野(甲辰)代表は、共産を全体主義とは見做してない。来る『衆院選』にて先の『都議選』で見せた「立産同盟」に国民が加わるか、否か。二十日に立憲と国民は選挙協力の覚書を作成。原則は、一人区の「小選挙区」で競合せず。例外は既に立候補予定者が決まっている小選挙区。



<共産は全体主義か>

 一日に志位委員長(甲午)は、中国共産党百周年について「中国による東シナ海や南シナ海での覇権主義的行動、香港やウイグルでの人権侵害は社会主義とは無縁であり、共産党の名に値しない。」と述べていた。ファシズムと変わらないとの見解を意味する。日本の共産の方は来年で百周年を迎える。日本で最古の政党。


日共と中共。この違いは何か。この違いが分かれば、令和の政治トレンドも見えてくる。どちらも当時のソ連(初代最高指導者:ウラジーミル レーニン)が生んだ兄弟政党であるが、昨年に改定した日共綱領では「マルクス=レーニン主義」を掲げていない。中共は掲げている。


日共の綱領では軍国主義・ファシズムを忌避。右翼全体主義(大政翼賛会)の事だ。他方、「レーニン死後、スターリンを始めとする歴代指導部は、社会主義の原則を投げ捨てて、対外的には、他民族への侵略と抑圧という覇権主義の道、国内的には、国民から自由と民主主義を奪い、勤労人民を抑圧する官僚主義・専制主義の道を進んだ。『社会主義』の看板を掲げて行なわれただけに、これらの誤りが世界の平和と社会進歩の運動に与えた否定的影響は、とりわけ重大であった。」と記す。


左翼全体主義を否定している。下線部は現在の中共にも当てはまるので、志位委員長は「(中共が)共産党の名に値しない。」と述べた。


両者が一致する部分は対米解釈。新自由主義の米国を「米帝」と揶揄し、世界的な経済格差や軍事問題を米帝が引き起こしている点に言及。日本国内の経済も米帝が出資という形で浸食・破壊、軍事的独立も『日米安保条約日米地位協定を含む)』が足枷となっている点を糾弾している。この点につき、平和の党を名乗る公明党(代表:山口那津男)は無視に等しい。


本条約は、日本政府が破棄の旨を米政府へ通告するだけで済む。民間の一般的な契約に同じ。事実、昨年に比政府は「米比地位協定」の破棄を米政府へ通告した。



日共は何を狙うのか

 結論は平和と自由を求める。中共の軍事覇権構想や自由を縛る監視政府とは異なる。日共の綱領や各種首脳の発言より、全体主義とは断じ難い。革命もしない。社会主義へ変革させたい。綱領の文言から読み解くと「社会民主主義」ととれる。この点は大きい。共産主義の基本は革命であるが、日共は革命をしない。革命は政治体制を無理矢理に変える事を言うが、今の日共は革命をしない。


以前の日共は昭和「学生運動」等で暴力的な左翼であったが、平成を経た令和の日共は生粋の中道左派政党であろう。革命をしない為に天皇制も破壊しない。あくまでも「国民の総意によって解決されるべき」と民主主義を基とする。


日共は社会主義を推し進め、共産主義を目指す。この共産主義は無政府主義(アナキズム)。中共とは異なる。この無政府主義は左翼思想。中共の一党独裁(地球支配)も日共は否定。真の「マルクス主義」を目指している。


ただ無政府は非現実的だ。日共はエリートが多いので、理想論を横に置けるかがポイント。現実的には社会主義政策を如何に打ち出し、結果を出せるか。


そういったもの実現できる政府を日共は「民主連合政府」と呼ぶ。二十年ちかくに及ぶ自公連立政権に対して、漸く都議選にて立産同盟を展開。立国共の三党の中では最も右派なのが、国民。自公の様に清濁併せ吞めるか。自民は右派、公明は左派。世界世論は日本を含めて左派に傾斜している。特に若い世代と無党派層の社会主義勢力への投票率が向上していくだろう。

呑めれば、政権交代の現実味が帯び始める。


記事:金剛正臣

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