成長業界のキャンピングカー、資産運用の可能性を示唆

【ビジネス ニュース】 平成二十九年二月二日から五日の日程で千葉・幕張にて、日本RV協会(降旗貴史)は『ジャパン キャンピングカー ショー二〇一七』を開催した。今回は初日にビジネス デイを設けた。独・デュッセルドルフにて国際見本市を運営するメッセ・デュッセルドルフ(CEO:ヴェルナー・マティアス・ドーンシェイド)が視察、講演を行った。併せて、出展四社が合同会見を開き、今後の市場への展開と企業プレゼンを行った。

高所得者・富裕層から注目の高い同展示会では前回よりもビジネス色を強めた展示会となった。


初日には同協会の降旗会長(写真上)が登壇。七代目会長就任後で初の公務となった。「業界としても(昨年のデータで)三百五十八億円まできて、皆様に楽しいアウトドアを楽しんで頂ける様、日々前に進んでいます。」と、業界の成長を伝えた。今後も成長し続ける姿勢だ。昨年に引き続き「ジャパン キャンピングカー賞」ではテリー伊藤(己丑)が授賞した。「最近、湘南でサーファーの若い子、特に女の子が早朝にキャンピングカーで来て、波を待ってる。」と、若い世代にキャンプングカーが浸透し始めた事に喜びを示した。囲み取材では、記者に若い内からキャンピグカーを持つメリットを問われ、テリーは「出逢いかな。キャンピングカー乗って田舎に行くと、ここに(車)泊めて良いですか、とか近くにお風呂ありますか、とか地元の人とコミュニケーション取るから。それが面白い。」と、都内では考えられない様な出逢いがあると述べた。



<本場欧州から視察>

 欧州最大のイベント企業「メッセ・デュッセルドルフ」が主催する、欧州最大・世界最大級のキャンピングカーイベントは毎年八月末頃に開催。企業名に同じ会場のメッセ・デュッセルドルフは、東京ドーム五個分の広さがあり、欧州各地をはじめ、世界二十五ヶ国から八百五十社を超える車両・部品メーカーが出展する規模を誇る。「欧州のキャンピングカー市場の動向」や欧州最大のキャンピングカー展示会「キャラバンサロン」を主催する同社のステファン・コシュケ(グローバル担当、写真上)が欧州から日本へのインバウンド市場向け戦略構想についての特別講演を行った。本場のキャンピングカー市場からみて、日本の同展示会には欧州からみて興味深い物もあった。


合同会見では「アルファ ロメオ」や「クライスラー」、「フィアット」、「ジープ」等を販売するFCAジャパンのポンタス・ヘグストロム代取は「日本導入を視野に入れたFIAT Ducatoの初出展」、日産自動車(7201.T1)は「リチウム イオンバッテリー システムを活用したグランピングカー」、全米最大のキャンピングカー専門のレンタル会社であるエルモンテRV(CEO:ケン・ショーク、写真上ブース)は「米国レンタル大手エルモンテRVが日本のインバウンド市場に本格進出」、国内レンタル大手「キャンプインカー」を運営するレヴォレーターの板垣俊明 代取は「キャンピングカー“共同購入ビジネス”の実績と今後の可能性」に関して、各々十分程度のプレゼンを行った。



進化するキャンピングカ、エンジン停止時の家電稼働と資産運用

 日産自動車(写真上スライド)はリチウム イオンバッテリの有用性についてプレゼン。正しい方法で行えば、リチウム イオンバッテリは発火等の問題が起きないと断言。このリチウム イオンバッテリをキャンピングカーに内蔵する事によって、エンジンを掛けずともエアコンや電子レンジ等の家電製品を使用する事が可能だ。またエンジンを掛けずに使える為、深夜でもエンジン音という騒音が無い。何処でも使え、便利さと環境の問題を解決したと、自社の強みを推した。


レヴォレータ(写真上ブース)は、キャンピングカーのレンタル事業と保有者への資産運用を同時にプレゼン。価格が高く手が出しづらいキャンピングカーのレンタル利用と企業や個人がキャンピングカーを持つ事のデメリットの隙を付く。低所得者と高所得者の双方にメリットを与えた。キャンピングカーは個人の趣味・娯楽だけでなく、資産運用に使えるのは資産家・企業にとって有益な商材だと思われる。今後の市場動向に注目されたい。


『ジャパンキャンピングカーショー二〇一七/一般社団法人日本RV協会』


撮影記者:岡本早百合

0コメント

  • 1000 / 1000