リングの監督・中田秀夫が初めて手掛けたポルノ映画『ホワイトリリー』

【芸能ニュース】 日活(代取:佐藤直樹)は平成二十九年二月十一日に東京・新宿にて、映画『ホワイトリリー』の初日舞台挨拶を行った。昭和四十六年に製作を開始した「日活ロマンポルノ」が生誕四十五周年を記念し、同社は「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」を開始していた。本作は本プロジェクトのアンカーとなる。塩田明彦(辛丑)、白石和彌(甲寅)、園子温(辛丑)と行定勲(戊申)が監督で十一月から新作が公開されていた。


本作の監督は映画「リング(一九九八)/東宝」「クロユリ団地(二〇一三)/松竹」やドラマ「本当にあった怖い話/テレビ朝日」等を手掛けた中田秀夫(辛丑)。DVD「ハリウッド監督学入門/バップ」も出している。舞台挨拶では中田監督と実写映画「ひぐらしのなく頃に(二〇〇八)/ファントム・フィルム」等に出演した主演・飛鳥凛(辛未)、山口香緒里(甲寅)、町井祥真(庚午)が登壇した。




<監督、演者それぞれの想い>

 冒頭に中田監督は「気合を入れて作った。五本でチーム一本だ。」と強調。過去に新宿日活があった頃の想い出話しをし、「同世代の監督、スタッフ達の想いを背負って立たせて貰っていると思うと感慨もひとしおで御座います。」と日活ロマンポルノを手掛けたかった胸中を打ち明けた。新鮮だった体験として、ロマンポルノを満席の状況で観賞する点を挙げた。当時は空席が必ずあるものであった。


主演・飛鳥は「絶対出たいって気持ちが、先ずあって。」と、オーディション時の意気込みを淡々と語った。合格時には覚悟をもち、リハーサルに不安を抱きながらも「身体全体で望んでいく事ができました。」と述べた。


中田監督からオファーがあった山口は、当時を知る周囲の関係者から「女優として濡れ場のシーンをして、どんどん女優として大きくなっていった人がいるんだよ。女優は脱がなきゃ駄目なんだよ。」と、女優としての本来あるべき根本論を教わった事を述べ、意欲的に本作に挑んだ。


作中でキーマンとなる男性・悟役を演じた町井は、最初の濡れ場のシーンでやや尻込み、中田監督に「町井君、そこには雌と雄しかいないんだよ。がるるう。」と、唸りが印象的であった事を話した。


また中田監督は作中の神社でのシーンで巫女に撮影内容を恐る恐る伝え、許可を得ようとした際に「神様は、そんな小さくありません。」と感動した。村でのシーンも、そこの長老三名に対して日活ロマンポルノの芸術性をプレゼンし承諾を得た。


尚、一週間で撮影された本作は、映画上映用(R18)とスカパー用(R15)で別撮りし描写が異なっている。


=あらすじ=

閑静な住宅街で陶芸教室を開く有名陶芸家・登紀子(山口香緖里)と住み込み弟子のはるか(飛鳥 凛)、傷ついた過去を慰め合うように寄り添い生きてきた二人は特別な関係にあった。

ある日、登紀子は有名陶芸家の息子・悟を新弟子として迎え、強引に住み込ませた。登紀子が悟に関係を強要するようになったことで、それぞれの愛が暴走しはじめる……


映画『ホワイトリリー/日活㈱』初日舞台挨拶

撮影記事:金剛正臣

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