【芸能考察】 平成二十九年四月に上演予定の既報・舞台『野良女/東映ビデオ』。主演は佐津川愛美(戊辰、写真上)だ。二月に行われた製作発表では出演者が酒を飲みながらのトークライヴが展開された。日本版「Sex and the City」と謳う本作に因み、アラサ女子の様々な本音が垣間見えた。
トークライヴでは、観客が出演者に酒や食事を奢ってもらうシステムに。食欲旺盛な女優陣は、唐揚げや揚げたこ焼き、やきそば等の食事を依頼し、観客が挙手して奢っていた。皆が酒を頼んだ。ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子/日本テレビ」の原作者・宮木あや子(丙辰)は日本酒しか呑めない。
<演出・稲葉の現場力>
最初の題目は「アラサになったと感じた瞬間」。ドラマ実写版「セーラームーン/中部日本放送、東映」の沢井美優(丁卯、写真上)は、「消化器官のはたらき。代謝が落ちた。」と切実。菊地美香(癸亥)はジムの会員になり、週四で通う様になった。「二十代は食べない選択ができた。」と二十代と三十代の差を感じた。原作・宮木は「食べないと肌が。」と零す。
次に本作の演出はハードか、との問いに演出・稲葉賀恵は「ずっと、ぐるぐるやらせる。女優が苦しんでいるのを見るのが好き。和気藹藹が良い作品を創るとは限らない。」とサディスティックな発言をしながらも、芸術性を外さない。
アラサの壁
アラサの話題に戻り、「アラサのイメージとのギャップ」を問われた。沢井が「結婚への想い、どっか行った。」と話し、菊地は離婚歴がある事を突如、暴露した。同調した原作・宮木は二十二歳で結婚し二十三歳で離婚したという。三十歳で小説家としてデビューした経験から「アラサは良い時も。」とフォローした。
菊地は「特に女は区切りを意識している。時間、お金、友だち、楽しい事しかない。」と、アラサへの怖さもあったが開放性にある程度の満足をしている様だ。主演・佐津川はアラサ一年生を自負し、「去年から楽しく生きようって決めて。」と何かをふっ切った様に前向きな発言。芹那(乙丑)は「先輩アラサとして、体力を向上させようという意志が無くなりました。」と落とした。
演出・稲葉(写真上)はおもむろに「自分と三十年も付き合ってきたら、自分の事が分かる。二十代では(自身の)欠点を補おうとしていた。三十代ではそこをフォローしようと。」と、節目での切り替え持論を述べた。ライヴも六十分を過ぎた頃から、芹那と菊地が酔い始めていた。
脚本は物凄い再現率
演者から演者の質問に移り、主演・佐津川から沢井へ、セーラームーンの決め台詞について聞いた。沢井は「おしおきしてって、よく言われる。」と述べ、実演。重ねて、デカレンジャ(デカピンク)であった菊地(写真上)も実演し会場は一気に白熱した。
SDN48であった芹那(写真上)は、アイドルの独特の自己紹介に触れられ、「上の人がSDNは“大人だから”。」とAKBみたいな自己紹介が無かった事を伝えた。本作の千秋楽までには芹那の自己紹介を考え、披露するという。また芹那は自身の声の特徴にTVに出ている自身を観て、知ったという。
原作・宮木のドラマ「校閲ガール」に話しが飛び、上戸彩(乙丑)が演じた河野悦子について「校閲は半分、私。」と、普通は経験を作品に入れないとしつつも、宮木は答えた。本作については、出版社からのオーダが「OLものを書いて下さい、だった。」と話し、脚本・オノマリコの上がりを見て「物凄い再現率だな。」と驚いた。
最後に「最初の嫌悪は麻痺してきて、最後はそれが何か良いものになると良いな。」と、本作への期待を示した。
舞台『野良女/東映ビデオ㈱』製作発表
撮影記事:金剛正臣
0コメント