十三日より『隅田川 怒涛』、坂本龍一等も参加

【芸術報道】 東京都(知事:小池百合子)は、令和三年八月十三日から九月五日まで東京・隅田川周辺にて『隅田川怒涛』を開催する。東京都歴史文化財団(理事長:日枝久)との共催。オンラインでも発信する。


本事業は、オリパラが開催される東京を文化の面から盛り上げるべく、新たな企画アイデアを一般募集。応募総数二千四百三十六件の中から選ばれた十三企画の一つ。世界的で活躍するアーティスト達が、音楽を軸にしたインスタレーション(体験芸術)やライブパフォーマンスを展開する。


江戸期の華やかな「営み」の場であった隅田川を一つの舞台と見立て春・夏の二期に亘って展開する音楽・アートプロジェクト。夏会期では現実・仮想の両方で三プログラムを実施する。春会期は仮想のみで五月二十二日・二十三日だった。


以下が三プログラム。右項は参加アーティスト。二は要予約

  1. サウンドインスタ「自然を主旋律としてピアノは調和を」;高木正勝(隅田公園)
  2. インスタ「water state 1」;坂本龍一、高谷史郎(墨田区東向島3-22-10)
  3. 無観客ライブ配信「天空の黎明」;稲葉俊郎、GOMA、コムアイ、中山晃子ほか(東京スカイツリー天望デッキ)


一では、自然からの音を迎え入れて有りの儘にピアノを奏でるプロジェクト「Marginalia」をサウンドインスタとして隅田公園にて展開する。


二では、会場にとある装置がある。坂本龍(壬辰、写真)一は「水」に対して、様々なインスピレーションの源泉として強い関心を示してきた。高谷史郎(癸卯)との共作となる本作の構想を進める中、水滴を制御し、自在に落下させる事ができる装置を「YCAMインターLab」が開発。水の様態の変化を表現した庭のような作品が完成し、平成二十五年に初公開された。


作品中央にある鏡面の様な漆黒の水面には、水滴が波紋となって広がり、それと呼応するように精緻で細密なサウンドが会場を包み込む。地球上の気象データを基にして、水滴の落ちる量や場所が変化し、その一つひとつの雫が水面と交わる事で波紋となり、重なり合いながら「水」へと還っていく。


今回の作品で使用する「水」は隅田川の水を汲み取り、濾過を施して使用。また、作品で使用する「石」は、隅田川の本流である荒川の源流・秩父より、古くは約三億年前の石を採取して展示する。


三では、深夜から始まって視聴者と共に日の出を迎える事で、黎明(=明け方。転じて「黎明期」とは、ある事柄が形になる前の始まりの時期を表す)を画面を通じて届ける。東京における最前線の表現を高さ世界一の自立式電波塔の天空から全世界に向けて発信。芸術文化の未来を描く。


画像:東京都、TOKYO-SKYTREE

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