【政治報道】 皇紀二六八一(令和三)年に日本国政府は、北の丸「日本武道館」にて『全国戦没者追悼式』を開催した。「大東亜戦争」の戦没者数は三百十万人(軍人等;二百三十万人、民間;八十万人)。
「太平洋戦争」は米国側の呼称。昭和十六年十二月に枢密院にて「今次ノ対米英戦争 及今後情勢ノ推移ニ伴ヒ 生起スルコトアルヘキ戦争ハ 支那事変ヲモ含メ 大東亜戦争ト呼称ス」と東條内閣は閣議決定した。
三権の一角・立法府の長の一人である・大島理森(丙戌)衆議院議長は、令和三年八月十二日に記者会見で引退を表明。議長職は平成二十七年より。最後の追悼の辞となった。
大島議長は「天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、全国戦没者追悼式が挙行されるに当たり、衆議院を代表して、謹んで追悼の言葉を申し述べます。
先の大戦では過酷な戦いにより、国内外において多くの方々が亡くなられました。総力戦により多数の方々が飢餓や窮乏に曝らされた極限の状況の下、戦い、働き、暮らし、それぞれ力を尽くした方々が戦場で、又は戦禍の中、或いは戦後、異郷の地において犠牲となられた事に思いを致す時、悲しみが尽きる事はありません。ここに全戦没者の諸霊に対し、衷心より哀悼の誠を捧げます。
また、掛け替えのない御家族を失われ、計り知れぬ御労苦を重ねられた御遺族の皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。
戦後の我が国の平和と繁栄が、幾多の戦没者の方々の犠牲によって築かれている事を決して忘れず、尽きる事のない悲しみを思いながら、心を合わせて平和の為に不断の努力を続けていく事は、私達に課せられた使命です。
戦後、我が国は国民の懸命の努力により、経済発展を成し遂げ、一貫して平和国家としての歩みを進めてきました。他方で、長い歳月の経過により、戦争の体験やその後の苦難の歴史の記憶の風化が危惧されております。戦争の惨禍を二度と繰り返さない為にも、内外の歴史への認識をより一層深めると共に、戦争を直接体験された方々から学び、過去の歩みを省みて、未来へ永く語り継いでいく事は極めて重要であります。
今日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く事態の中にあって、私達は世界の人々と相携えてこの試練を乗り越えていく必要がありますが、この未曽有の状況は、国際社会の在り方にも大きな影響を与えています。
私達は、政治的社会的分断が進む世界の動向や我が国の状況を真摯に自覚して、現実を直視しつつ、共に叡智を尽くし、誠実に、世界の平和と全ての人々の幸せの為に行動し、且つ、長い歴史を有する我が国の更なる発展の為、努力を続けていかなければなりません。
我々国会議員は先の大戦に思いを致し、日本国憲法の精神を体して、恒久平和の実現、国民生活の安定向上に全力を尽くして参る所存です。結びに、戦没者の御霊の安らかならん事を心からお祈り申し上げますと共に、御遺族の皆様の御平安と御健勝を切に祈念致しまして、追悼の言葉と致します。」と述べた。
戦後から七十六年が経過した。
記事:金剛正臣 撮影:岡本早百合
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