令和四年度『予算案』へ反映、十五歳以上の都民ネット投票開始

【政治報道】 東京都(知事:小池百合子)は、令和三年八月十三日より同四年度『予算案』に反映させる為、都民による事業案のネット投票を開始した。八月末まで。


都政の喫緊の課題を解決する為に「都民が提案し、都民が選ぶ」仕組みを構築。併せて、予算編成過程に都民の声を直接反映し、行政には無い新たな発想の活用や都民の都政への参画を目指すもの。


都では、都民・大学研究者による事業提案制度(都民提案・大学提案)を実施。両事業案を募集した結果、都民から四百七十七件、大学研究者のから四十三件の事業提案があった。本年は投票対象として、都民提案から十三件、大学提案から十一件を選定した。


都の事業案に対して投票できる者は、四月一日時点で満十五歳以上、投票時点で都内在住。未成年でも自身の意見を首都東京へ反映できる点がポイント。但し、都職員や都議等は投票できない。一人六票。




以下が都民提案の十三件。

  1. チャットボット導入による子育て支援情報の発信;東京の子育てに関する情報をまとめた「とうきょう子育て応援ブック」の内容を活用し、子育て相談のチャットボットを導入。サービスの向上を図る
  2. 子どもの外遊び促進事業;楽しく遊べる、面白い外遊びをYT等で発信し、外遊びの魅力を伝え、外遊びをする子どもを増やす
  3. オンライン de 介護予防;新しい日常の下でも高齢者が介護予防・フレイル予防に取組める様、オンラインで介護予防・フレイル予防プログラムに参加できる体制を整備
  4. 出産・子育てに関する男性への意識啓発;男性社員が育児休業を取得し易い職場づくりを促す為、男性の経営者や管理職を対象とした意識啓発を推進
  5. 誰もが使い易い駅づくり;年配者や障害者にとって更に便利な駅とする為、スマホアプリやAIを活用したサポート体制を強化
  6. 公共施設のトイレへの介助用大型ベッドの設置促進;公共施設のトイレのバリアフリー化を一層推進する為、高齢者や障害者が横になっておむつの交換や着替えができる介助用大型ベッドの整備を促進
  7. 手洗い場の設置促進;新型コロナウイルス感染症対策として、多くの方が利用する公共の場に手洗い場を設置し、こまめな手洗いができる環境を整備
  8. 若者世代をターゲットとした防災意識の啓発;防災週間(八月三十日~九月五日)にYT等とのコラボ動画を配信し、主に若年層の防災意識向上を図る
  9. 起業したい学生向けインターン プラットフォーム事業;インターンシップを通じて、大学生にスタートアップ企業等で働く機会を提供し、起業を含めた幅広い将来の選択肢を持つ学生を増やしていく
  10. 小さなアイデアから育てる創業サポート;起業・創業に関心・意欲のある人々が集まる機会を提供し、アイデアをブラッシュアップ。更に、有望な事業は都の創業支援策でサポートしていく
  11. 「起業MAGAZINE」の作成;起業のノウハウや海外スタートアップの最新情報等、起業情報を網羅した情報誌「起業MAGAZINE」を作成。フリーマガジンとして都の施設等で配布
  12. 生物多様性への関心を高める為の普及啓発動画の配信;人々の生物多様性への関心を高める為、生物多様性の危機や得られる恵み、その重要性等について説明した動画を配信
  13. ラストワンマイルの経路情報提供基盤の構築;ターミナル駅では、時間帯や経路によって隣接施設のエレベータを利用できない事がある為、エレベータの稼働時間等を収集し、オープンデータ化する




以下は大学提案の十一件。

  1. 感染症蔓延時も行える小規模医療施設向けオンライン災害対策訓練パッケージ提供事業;オンラインシステムを活用して診療所等の小規模医療施設を対象とした災害対策訓練パッケージを提供し、災害時の医療機能を確保
  2. 大規模災害時の帰宅困難者 民間一時滞在施設の対応力強化事業;大規模災害発生時に帰宅困難者の民間一時滞在施設の災害対応力を強化する為、施設のニーズに応じた受入準備、対応訓練と通信システム構築に向けた支援
  3. 福祉施設のBCP共同研究・作成事業;令和六年度から高齢・障害福祉施設にBCP(事業継続計画)の作成が義務付けられている点より、都特有の課題を踏まえた「東京BCPP」ひな型を作成し、都内福祉施設におけるBCP作成を支援
  4. 東京都地域防災計画のIoD(Internet of Documents)化による防災力向上;東京都地域防災計画をIoD化し、国の防災基本計画や各種法律、区市町村の地域防災計画との整合性検査を自動化。編集の効率化を進め、都民が必要な情報を素早く且つ正確に入手できる様にする
  5. 交流インフラとしての街路空間づくり~ゆっくり動ける都市生活の再設計~;地域コミュニティを超えて面的に地域を活性化する為、街路空間活用に基づく都市モデル構築を調査研究。その研究成果を基に、文化資源の集積する都心区域を対象にした街路空間活用の社会実験を実施
  6. 中小病院におけるポストコロナ期の感染症健康危機への対応能力強化事業;中小病院での新型コロナウイルス感染症のクラスタ事例を分析した上で開発した教育コンテンツを、中小病院や保健所の対応能力向上と人材育成に活かし、ポストコロナ期の様々な感染症による危機管理に備える
  7. 医療現場への「やさしい日本語」導入・普及事業~多文化共生都市に求められるコミュニケーションの推進~;外国人だけでなく、高齢者や障害者にも伝わり易く、安心して医療が受けられる環境を整える為、医療現場における「やさしい日本語」の普及に向け、限られた時間で効果的に学べる教材や研修を提供
  8. 大学シミュレーション教育施設を活用した訪問看護師等 教育研修事業;在宅療養を支える訪問看護師を対象に大学施設を活用し、eラーニングや人体型シミュレータを用いた教育研修を実施。地域医療の質の向上と充実を図る
  9. ゼロカーボン東京戦略を加速させるラストワンマイル プラットフォーム;エネルギ利用データと都市データを最大限活用した、DB・分析ツールを包含するプラットフォームを構築。区市町村や都民を積極的に巻き込んだカーボンゼロ施策の立案に繋げる
  10. 廃棄物処理・リサイクルの非接触化・自動化を実現する選別ロボットの開発と社会実装に向けたシナリオ構築;労働力不足が深刻化する廃棄物処理・リサイクル分野において、AIを活用した非接触化・自動化を実現する選別ロボットの開発を行い、プラスチック資源循環等の3Rの推進への貢献や新たな産業創出を目指す
  11. DXで資源循環を変革する東京型サーキュラ エコノミの実現;廃棄物発生時に製品情報を読み込み、適切な排出区分を指示。自動的に適切な形で収集・処理されていくシステムを開発し、サーキュラ エコノミ シティ東京を実現する

画像:東京都

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