金融入門『スワップション』|財務省「シリーズ日本経済を考える」

【金融報道】 財務省(大臣:麻生太郎)は、令和三年八月二十三日に『債券(金利)オプション入門―スワップションについて―』を公表した。金融工学。執筆は「財務総合政策研究所」服部孝洋 客員研究員。「東大」公共政策大学院の特任講師。


財務省は「シリーズ日本経済を考える」にて高度な経済・財政・金融知識を国民が無料で学べるPDFを公表している。今回で百十五本目。服部研究員は「金利スワップ入門―基礎編―」や「金利リスク入門」等を執筆した。


全十二頁の本稿では「スワップション」を中心に債券(金利)オプションについて解説をしている。スワップションは、債券オプションの代表格。金融市場で広く活用されている。日銀等も活用。固定と変動金利を交換する「スワップ」の取引残高は三千兆円。内、スワップションは百四十兆円(金融庁)。


 本稿の特徴として、政策担当者や金融機関の実務家が想定読者。スワップションの実務的な側面や「予想変動率(インプライド・ボラティリティ、IV)」を用いた分析手法等に焦点を当てて説明を行う点とした。スワップション特有の性質や特徴(国債先物オプションとの違い)、IV、使用例等を列挙。国債の入札分析にも使う。


服部研究員は「債券のオプションについては、日本取引所グループ(JPX)に上場している日本国債先物オプションは七年金利に関するオプションであるのに対して、スワップションのIVを用いれば、様々な年限の金利リスク量を把握する事ができます。」とメリットを伝える。


例として「金融政策との観点で投資家が感じている金利リスク量を見たい場合」を挙げた。


また、スワップションの初学者が最初に躓く点として、「コール・オプションをレシーバーズ・スワップション、プット・オプションをペイヤーズ・スワップションという独特の用語を用いて表現する点です。」とした。


他にも「キャップとフロア」、「ガンマセクタとベガセクタ」 にも触れた。


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