日本の子どもによる比の子ども支援と「子どもの権利条約」活動を報告|フリー・ザ・チルドレン・ジャパン

【社会報道】 令和三年八月二十五日にオンラインにてフリー・ザ・チルドレン・ジャパン(代表理事:中島早苗)は、上半期の『活動報告会 二〇二一夏』を開催した。子ども達等も参加した。


今回は、主に一昨年に実施した中高大学生十五人によるCF「未来を創る教育を子ども達へ!~ミンダナオ島学校修繕プロジェクト~」の進捗を報告。同CFでは二百十二万円を資金調達。支援者数は百一人。この資金でフィリピン南部の学校を修繕するもの。コロナ禍により、修繕工事の着工が当初の予定から一年遅れていたが、四月から修繕工事が始った。


フィリピンの基礎教育は小学校(初等)六年、高校(高等)六年の計で十二年間。私立が多いものの、公立の方が生徒数が多い。


今回の先住民が住むミンダナオ島(上図・黄色)は、長年の政情不安から社会インフラの整備はフィリピン国内でも最低水準という。十六世紀から十九世紀までの「スペイン統治」で先住民は山奥へ追いやられた。同島民の四割が二㌦/日以下で生活。現在は、政府とモロ・イスラム解放戦線や共産党との政治的対立が主因でインフラが最低水準。


二十年前に子どもが教育を受けられない事を問題視した民間団体が小学校を建設したが、校舎は老朽化が急速に進行している。以下の様な状況の為、修繕する。秋頃に工事完了の見込み。


  1. 柱は白蟻に食べられてボロボロ。簡単に崩れたり、折れたりしてしまう
  2. 屋根が錆びて穴が開き、一年の半分が雨季である現地では教室への雨漏りが日常茶飯事(雨が降ると授業が出来ず休講・休校)
  3. 床のコンクリートは穴が空いたり、ひび割れ。教室は段差・穴だらけ
  4. 壁、扉、窓のブラインドが朽ちて、迂闊に触れば外れ、子ども達が下敷きになる危険性
  5. トイレは衛生的に劣悪な程に大損傷



<小学生女子の想い>

 同NPOのミッションは「子どもは世界を変えられない、という考えからの解放」と「国内外の貧困や差別から子ども達を解放」の二つ。子どもを“チェンジメーカー”として育てている。昨年の実績は一万一千人超(出前授業)。フェスではモデル・女優の土屋アンナ(甲子)等も参加した。同NPOは「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」の実行団体でもある。


このキャンペーンに参加している小学生は、同NPOで活動するきっかけを伝えた。二年前にアフリカの水・教育問題へ興味を抱き、自由研究等で学びを深めた。「周りに社会問題に取組む人がいなくて。」と問題探求へのハードルの高さを感じていたが、同NPOの動画で小学生達が活動している姿に触れ、同NPOでの活動を決意した。


国会議員との意見交換では、子ども権利条約を日本や世界へ広める事を話した。「主に三つの視点から話をさせて頂いて。一つ目は大人に向け、母子手帳等の親向けの資料で啓発するアクション。二つ目が子どもに向け、教科書等で啓発するアクション。三つ目が社会に向け、様々な記念日に啓発するアクションについてお話しさせて頂きました。」と小学生は述べた。

国会議員のリアクションは、とても好感度が高かった模様。



「SDG4教育キャンペーン 二〇二一(旧・世界一大きな授業)」では、国内外の教育行政・支援に関するアンケートを主要六政党へ実施(二月)。各政党からの回答を政党名を伏せて公開し、ユーザが投票、計四千票(四・五月)。また全国から応募・選考した中学生から大学院生が各政党・省庁を訪問し、先の投票結果を踏まえて提言・質疑を実施した(六~八月)。


記事:金剛正臣

画像:(特非)フリー・ザ・チルドレン・ジャパン、広げよう!子どもの権利条約キャンペーン/Facebook

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