京大・藤井聡 教授が「緊急事態宣言」等を回帰分析、『p値』は五㌫超

【社会報道】 令和三年九月三日にオンラインにて東京都(知事:小池百合子)を提訴しているグローバルダイニング(7625.T2)の弁護団は、第三回期日を前に「京大」大学院・藤井聡(戊申)教授の意見書を先行公開した。藤井教授は工学博士。本件は違憲訴訟。


都が発出した「同社店舗への時短命令の効果」を試算し、都における「緊急事態宣言の感染抑制効果」を回帰分析で科学的に検証した。


結果、前者では「時短命令」の対象であった二十六店舗にて抑制できたであろう新規感染者数は、約〇.〇八一人/四日となった。科学的に略、無意味。これと同程度の二次感染を防ぐ為には、PCR検査を一件/一.八二日増やせば良いとした。対象期間は三月十八日から二十一日。


後者は「営業自粛等」に関して。直接に影響するのは感染者数ではなく、感染のし易さ。全ての説明変数で「p値(最下部参照)」が五㌫を超えており、藤井教授は「時短・休業・酒類提供制限・蔓防・緊急事態宣言の何れも、実行再生産数を有意に変化させていないと考えられる。」と結論付けた。対象期間は同二年十月一日から同三年八月十二日。


先行研究につき、以下の三点を分析上の問題とし、線上回帰分析した。従属変数は「実行再生産数の前日差」、説明変数がダミー変数「規制状況の変化」。

  1. 単位根の性質を考慮してない
  2. 感染から陽性報告までのタイムラグを考慮してない
  3. 蔓防やそれ以外の営業自粛要請を考慮してない



尚、都の「新型コロナウィルス感染症モニタリング会議」は、同三年三月十六日から二十二日の一週間での“会食”による感染割合を五.一㌫と公表していた。


=p値=

「効果はゼロ」が真実である時に、偶然的にこうした効果が観察されてしまう確率を示す。


例えば、緊急事態宣言の真の効果がゼロであっても、何度も実施すれば、たまたま効果があるかの様なデータが観察される場合がある。実証科学においては通常、この確率が〇.〇五未満である場合に、「この効果は偶然的なものではない」と判断し、統計的に有意であると見做す。


今回はp値が〇.〇五を上回っている為、「真の効果が仮にゼロであった場合でも、偶然観察される事があり得る程度の効果」しか見られなかった、という理解になる。

(藤井教授)


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