民進党の大会で井出英策「慶応大」教授が苦言を連発

【政治報道】 民進党(代表:蓮舫)は、平成二十九年三月十二日に東京・芝公園にて同党初となる『定期大会』を開催した。国会議員百四十六名をはじめ、都道府県連代議員等が出席した。来賓挨拶として登壇した「慶応大」の教授・井出英策(壬子)は、自民党(総裁:安倍晋三)への唯一の対抗軸としての第一野党・民進党への期待を込めて、非常に手厳しい言葉を連ねた。


井出教授は福岡出身の経済学者で「東大」卒及び「東大院」博士。「人間には生まれた事の意味を知る瞬間が有るのではないかと思います。それは正に僕にとって今、この瞬間です。」と、学者生命を懸けている旨を壇上から伝えた。キーワードは“自己責任社会”。現在の平均的な世帯の貯蓄や所得の低さを異常とし、較差放置社会と断じる。


「弱者に対する優しさが失われ、不安を抱える者同士が傷付け合う、それが今の日本社会の姿なのではないか。」と語気を強める。民進党の政策理念の一つ“未来への責任”に賛同しつつ、「民進党が政権を獲れば、かつての様な経済成長を取り戻せるとお考えでしょうか。」と厳しく問うた。経済の成長率を高める要素として「労働力人口」「労働生産性」「国内設備投資」を挙げ、現状では希望を持てないとし、最後の要素「技術革新」が民間で起せる政府のカタチを求めた。



蓮舫代表(丁未)は大会後の記者会見で「井出先生のプレゼンを拝聴すればする程、私達の目指すべき社会の仕組みのヒントがある。」と述べ、井出教授の知性と情熱を信じ大会に招いた。挨拶に関しては厳しい内容であったものの、同党が現実の受け止めを共有できたとした。


今回の井出教授の様な挨拶を党大会で述べる事は異例だ。その位、三人の子をもつ一人の父親として、現状の政界と日本の未来を危惧している。民進党は大会を視る限り一枚岩と言い難い。その点を意識しての発言の様にもみえた。同月に行われた自民党の大会と比較し、一致団結の組織力が乖離。較差がある。大きな差である。因って支持率も大きな差である。自民党に対抗できる唯一の政党として、同党の国会議員らが一つに成る自覚を求められている。


尚、井出教授は前原誠司(壬寅)元外務大臣のブレインとなり、同党の「尊厳ある生活保障総合調査会」に出席していた。


『民進党 二〇一七年度定期大会』

記事:金剛正臣×撮影:岡本早百合

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