【政治考察】 平成バブル崩壊後の同八年に衆院『総選挙』は、現在の「小選挙区 比例代表並立制」となった。バブル崩壊後に日本経済が復活できなかった理由は、この政治『小選挙区制』と経済「新自由主義」と言えよう。
新自由主義は「総裁選」に立候補を予定する者や主要野党が転換を求めている。こういった政治家のお陰で日本の経済は、社会主義寄りの政策「合本主義(社会民主主義)」が打たれる可能性が高い。残るは小選挙区制だ。
小選挙区制以前は『中選挙区制』である。「都議選」が中選挙区制。小選挙区制では、“選挙の顔”が求められる。この選挙の顔につき、分析したのが「政策研究大学院大学」竹中治堅 教授。十五日に分析記事『菅首相退陣「小渕」「小泉」「安倍」内閣との決定差/東洋経済』が配信された。
選挙の顔方式『小選挙区制』では、大衆迎合(ポピュリズム)の人気投票に陥る。竹中教授は、個人の政治家よりも政党を選ぶ点に言及した。「一体、その者は如何様な政策があるのか。」が問われない。
<世論と輿論>
TVを主体とするシニア世論(セロン)とネットを主体とする輿論(ヨロン)があり、小選挙区制以降は世論が総理を総選挙にて決めてきた。
この世論をコントロールし易い事を米中は知っている(プロパガンダ)。昨今のコロナ禍の如く「感染者数」ばかりが連日報道され、最も大切な「死亡者数」と他の病気との比較は息を潜める。世論はコロナ禍に恐れ戦(オノノ)き、しないでも良い公園封鎖や子ども達への事実上の強制的な制限等を加え続けている。飲食店やGoTo施策も同様だ。
しかし輿論は違う。パフォーマンスに躍らせれずにデータや実際の記者会見等を分析し、政治家・現状を評する。
選挙の顔方式『小選挙区制』ならば、日本世論をコントロールできるので都合の悪い総理一人を飛ばす事が可能だ。沖縄世論が典型的で中韓の情報戦により、沖縄県民は勘違いをずっとしている。そもそも米軍基地がなくなれば、中国に侵略されるだけである。その後には民意なぞ無い中国軍の基地ができる。米軍も中国軍も嫌ならば、日本軍(自衛隊)しかない。しかし自衛隊にも反対する。
経済に強かった中選挙区制
『中選挙区制』では総理一人を飛ばしてもダメだった。当時の日本は派閥が強力で、自民内「疑似 政権交代」ができた。強い政治家達が何人も控えていた。だから左派系は自民になかなか勝てなかったし、米中は日本世論を今程にコントロールできなかった。結果、日本経済は高度経済成長し、バブルまで発生した程に上手くいった。
何故か。『中選挙区制』の派閥は頭脳集団だ。塾と言っても過言ではないだろう。派閥の領袖が塾長となり、派閥の議員に勉強会を設ける。『小選挙区制』とは異なり、『中選挙区制』では同じ選挙区に同じ党のライバルがいる。そのライバルに得票で勝つ事が命題なので、政策論争を制する為に各地域の輿論(有力者)から支持を貰う。
その地域の輿論・有力者が候補者を政策で選び、地域の世論・住民へ推薦する。
この意思決定システムは、選挙の顔方式『小選挙区制』とまるで異なる。現行制度では、個人が好きか嫌いか等の確かな政策以外で判断して投票。『中選挙区制』では信頼ある輿論・有力者に確かな政策者(候補者)を選んで貰い、輿論を参照して投票する。確からしさがまるで異なる。
<金権政治より国民の経済>
無論、ロッキード事件・田中内閣等の様に金権政治が揶揄されるが、人気投票よりも国民の人生がマシな事は、平成バブル後の日本経済と昭和の日本経済を比べれば、分かるのではないだろうか。政治家が儲けていようが、いなかろうが、国民が儲かっている事の方が重要だ。清廉潔白な政治家達だけでは、国民はまるで儲からないのも事実。トレードオフ。
この結果、利する者は誰か。米中である。直近三十年のGDPを視れば、直ぐに分かる。
清廉潔白を求めすぎた日本は、本来できた筈の成長分を米中に取られた。両国のGDPの伸び率を視れば、どちらの国が日本から多く取ったかは明白である。この様に選挙の顔方式『小選挙区制』である以上、優秀な総理は世論で首を飛ばされ、中身のない政治家が代わる代わる君臨し続ける羽目に陥る。その様な中で安倍・菅内閣は健闘した。
来る輿論のうねりはネットから
『中選挙区制』に戻さない限り、未来永劫、日本国民は米中の経済成長の為の存在でしかない。
希望はある。明治の輿論・知識人(新聞購読者)達が行った「自由民権運動」の様に、令和の一部ネットユーザが輿論化している点。その影響力は指数関数的に大きくなり始め、ヤフコメやYT、Twに伝播している。報道府はこれを仕掛けてきた訳だが、その学習能力はそら高く、世論の核・TVにも影響が及び始めた。想像以上に早いスピードだ。
何故、TVが幼稚化したかは本稿より推察できよう。
自民「総裁選」では、今までに無い様な高難易度のマクロ経済(財政・金融)政策を輿論は求めている。日本経済の活力足る若者・若手政策にも光が当たりつつある。彼らネット輿論は、多世代で構成されているものと推察可。この叡智であるネット輿論が強くなれば『中選挙区制』へ戻す事が出来、「自由民権運動(国会開設に至る)」の様に、日本の政治・経済・社会を三度強くする事ができるだろう。
記事:金剛正臣
画像:FPhime、コロナ危機に乗じた中国の「プロパガンダ」を米紙が警告/週刊ダイヤモンド、「米国超え」後の正念場/週刊東洋経済、自由民権運動の系譜―近代日本の言論の力/Amazon
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