テレワークでストレス増、「コミュトレ」の対処方法

【ビジネス報道】 令和三年十月五日にコミュニケーションスクール「コミュトレ」を運営しているアイソルート(代取:野田雄彦)は、二十代から五十代の社会人を対象にコロナ禍前後でのストレスの度合い及び原因の変化についてのアンケート調査を公表した。


調査は九月に実施。同社のコミュニケーション教育サービスの講義参加者である男女二十五人が回答。


働く上で「ストレスをとても感じる」「感じる」と回答したのは、全体の七割。「全く感じない」と回答したのは一人のみで、殆どは職場で何かしらのストレスを抱えているという結果。


設問二で何かしらのストレスを感じると回答した者の内、コロナ禍以前の職場におけるストレスの原因として最も多かったのは「同僚や上司との関係」。続いて「仕事の内容」「仕事の量」。その他には「自社の製品」「オフィスの環境」等の回答があった。


職場で何かしらのストレスを感じると回答した者の内、六割は流行前と比べてストレスを感じる事が増えたと回答。勤務形態による回答の違いを見ると、設問四で「全てテレワーク」「殆どテレワーク」と回答した全員が「ストレスを感じる事が大きく増えた」、又は「ストレスを感じる事が増えた」とした。


コロナ禍前後でストレスの原因に変化があったと回答したのは七割。コロナ禍でテレワークをする様になった者の内、八割は「変化があった」と回答した。



ストレス原因の変化を自由回答で聴いた所、コロナ禍で「テレワークをしている」とした回答者が最も多くあげたのは「コミュニケーション不足によるストレス」であった。「雑談が減り、気分転換がし難い」「相談しづらく仕事を進め難い」等の回答があった。コミュニケーション不足に関する回答が散見。その他「肩こり等の体調不良」「仕事量の増加」等もあった。


以下は同社の考察。

「今回のアンケート結果を振り返ると、新型コロナウイルス流行以前の職場におけるストレスの原因として最も多かったのは「同僚や上司との関係」となっており、「コミュニケーションが発生している時のストレス」が多くの方に生じていた事が分かります。


しかし新型コロナウイルス流行後は、テレワークによるコミュニケーション不足等、「コミュニケーションが発生していない時のストレス」を感じる方も多く、これまでとは性質の違うコミュニケーションの問題が生まれていると見受けられます。


この様な「コミュニケーション不足によるストレス」が生じてしまい易い時代に大切な事は、働く人の心理的安全性を上手に保たせる事だと思います。心理的安全性とは、ハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授が一九九九年に提唱した用語で、心理的安全性が保たれている状態とは、「周囲の反応に不安を感じず発言ができる状態」「組織に属しているメンバが互いに安心して自分らしく働けている状態」等を指します。


この心理的安全性が高い組織は、従業員満足度やチームの生産性を高める要因になるとも言われています。しかし、テレワークを導入している会社の中では、基本的なコミュニケーションの手段がテキストでのコミュニケーションになっていたり、会議等でビデオ通話をする時にも画面をオフにしていたり、そもそも画面越しのコミュニケーションを取る機会さえ減っている会社も少なくない筈です。


その様な中で、不安を感じずに発言できるという安心感や自分の考えや自分らしさを表現できていると思いながら働ける様な心理的安全性を保つ為には、「組織」と「個人」それぞれの工夫と努力が必要だと考えます。


例えば組織においては、社員同士の連携をこれまで以上に促したり、上司と部下の1on1のミーティングの機会を定期的に設けたり、朝礼や終礼を行い、チームや部署のメンバと画面越しで顔を合わせて今日一日の業務スケジュールについて共有したりする等、物理的にコミュニケーションが発生する仕組みを作る事やそれを許容する組織文化を形成していく事が重要かと思います。


また、働き易さを組織の仕組みに頼り切るのではなく、個人としても能動的なコミュニケーションをとっていく事が大切になります。


改めて新型コロナウイルス流行後は、コミュニケーション不足によるストレスという、これまでに無いストレス要因の変化が見受けられますが、組織でも個人でも「何気ない会話やコミュニケーションを取る事自体の価値」を再認識し、コミュニケーションの総量を増やしていく意識と行動を大切にして貰えたらと思います。」


画像:㈱アイソルート

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