クリーマが第二フェーズ、経済圏の構築へ本腰の十年

【ビジネス・金融報道】 日本最大のハンドメイド マーケット「Creema」を展開するクリーマ(4017.TM)は、令和三年十月十五日にオンラインにて『二〇二二年二月期 第二・四半期オンライン決算説明会』を開催した。上図は画家・むらいさき(丙寅)。


第二・四半期の売上高は五億円(前年同期比で九十八㌫)、営業利益は三千九百万円。上期累計では売上高が十一億円(同百七㌫)、営業利益は一.八億円(同七十六㌫)、「営業利益率」は十六.九㌫となった。


同年二月期(二〇二一年三月一日~二〇二二年二月二十八日)の連結業績予想では、売上高が二十四.五億円、「経常利益率」は五十.四㌫、「EPS」は四十四.〇三円。このEPSにおける報道現在の「PER」は五十二.三倍。やや割高感があるかも知れない。



<堅実さと大胆投資>

 その理由は、説明会に先んじて十二日に東京・神宮前の本社にて実施した「メディア向けラウンドテーブル」で明らかとなる。丸林耕太郎(己未)代取が会議室で記者達へ直接に説明した。


同社は第二フェーズに入る。第一フェーズの十年間は起業から上場まで。第二フェーズの十年間では『Creema経済圏』を構築していく。アプリのDL数は一千二百万に迫る。丸林代取は、この経済圏を創るべく「新しい一大コングロマリット」を形成していく。


プロシューマ(職人)の登録クリエイタ数は二十二万人、流通総額は百六十億円/年を誇るクリーマは広告やイベントで深掘りしつつ、横展開「新サービス群」を億単位で投資する。裏付けは前掲の経常利益率と三十億円の現預金。


既にCF「Creema SPRINGS」と動画レッスンのプラットフォーム「FANTIST」を展開中で、後者は四月にM&Aで全株式を取得、子会社化した。今後もCreemaとシナジの高い各種新サービスの開発・検討を進めている。



本業も強化

 核であるCreemaでは、千秋(辛亥)プロデュースの新ブランドも近日に始動予定。「クリエイタ発掘プロジェクト」では、ファッションデザイナ・丸山敬太(乙巳、ケイタマルヤマ)が参画。大型イベントも順次開催。


十一月に静岡・御殿場にて元DJの丸林代取らしく、音楽×クラフトの野外フェス「Creema YAMABIKO FES 二〇二一」を開催する。フジロックのメインに立てる程のアーティストがライブする。サウナ村も併設予定。


更に十二月に青森にてクリエイタの移住体験企画第三弾として、二泊三日のプログラム「クリエイタ ワーケーション体験 in 青森」を初開催する。新潟・糸魚川と北海道・栗山に続く。募集中。 


PERには安定性や今後の成長性は加味されていない。一般的に「利益の成長性が高い」場合にPERは割高となる傾向がある。以上は利益の成長性に他ならない。金融市場の評価・信用は第二フェーズからだろう。


尚、記者へ配布された資料には、経営思想に関する氷河期世代・丸林代取の語録が掲載されていた。一部は以下。

  • 大切なのは、愛と執念
  • 創造の源泉は「愛と怒り」。だから愛も怒りも大切に育む
  • 才能や努力が正当に評価されない世界はおかしい
  • 人間は平等じゃない。だけど、少なくとも“機会”だけは平等であるべきだ
  • 経営哲学は“普遍と革新”


若い同社のミッションは、「愛ある事業で、人を、世の中を、元気にすること」。


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