【社会・政治・人生考察】 現在の年金システムができた頃、十三人の働き手で一人のシニアを支えていた。その頃に消費税等は無かった。令和の現在では、二人で一人のシニアを支えている(最近の推計では、一人の働き手が〇.四九人の高齢者を支える/国立社会保障・人口問題研究所)。消費税は十㌫。
単純計算で令和時代の若者・若手は、当時の若者・若手と比べて六倍も多く負担している(シニアを養っている)。だから手元に余裕が無い。その頃の若者は今ではシニア。収めた年金の何倍もの額を毎月貰っている。
令和三年十月二十一日に「一橋大」の経済学者・野口悠紀雄(庚辰)名誉教授は、記事『「岸田・分配政策」早くも腰砕け、社会保障“悲惨シナリオ”に現実味/ダイヤモンド社』にて警鐘を鳴らした。二十年後には、
一人の就業者が〇.四九人の高齢者を支える社会から、一人で〇.六六人を支える社会になるわけだ
と今後の若者・若手が更なる負担増となる社会を伝える。
そして、その時の調整方法は「給付を四分の一削減するか、負担を三割引き上げる必要」の二択。若者・若手が選挙を放棄した結果が、シルバ民主主義。今後も若者・若手が選挙を放棄し続けると、給付を削減せずに負担を今よりも更に三割引き上げる事が国会にて通るだろう。何故ならば、一番増えている「社会保障関係費/国家予算」は年金ではなく、「医療費」だからだ。
<シニアが若い頃の十二倍の負担へ>
今から三十年後には、一人の若者・若手が一人のシニアを支える(養う)社会も想定されている。シルバ民主主義が加速すれば、実現する。自身達の負担は削らずに、若者・若手達を負担を強いる。今までもそうしてきた。菅内閣はシニアの医療負担を増やした結果、今月に総辞職した。今、産まれた赤ちゃんは三十年後に、今の若者・若手の倍も負担する。最初期と比べると実に十二倍の負担となる。
重ねるが年金ではなく、医療費の負担増が尋常ではないからだ。
子育て世代は、自身の子ども達の事を本当に考えているだろうか。選挙権の無い子ども達の為に、シルバ優先主義にブレーキを掛け、若者・若手ではなく、シニアへの負担を求めているだろうか。詰まり、選挙に積極的で政治運動を行っているだろうか。
当然、今の若者・若手は「介護」という負担が差し迫っている。これは今の子ども達も同じ。今の子どもが数十年後に親である自身達を介護する。今より倍の負担をしながら、一人のシニアを養いながら、両親の介護をする。然し、若者・若手の国会議員が増えれば、ブレーキが掛かる。
シルバ優先主義にブレーキを掛けるのは若者・若手に他ならない
中堅は先輩であるが、本当の極少数の中堅のみが真剣に考えているものの、圧倒的多数の中堅は現実を直視せず、政治運動を何も行っていない。彼らの口から、そういった話が出てきただろうか。現実逃避が甚だしい。確かに地球温暖化も大切だろうが、若者・若手はシルバ優先主義による今後の更なる負担増(消費税増等)を生き抜かなければならない。
百合子都政で分かる通り、正にコロナ禍もシルバ優先主義であった。
報道府は、若者・若手の負担増を求めるシルバ優先主義にブレーキを掛けたい。シニアの中には良識ある者もまだまだいる。先の「都議選」では賢きシルバが若者・若手の都議を多く当選させてくれた。ただ、負担増の主体である若者・若手が選挙を放棄していては、ブレーキが掛けられない。
選挙と政治運動しかない
このままでは子ども達が大人になった時、今の若者・若手の倍を負担しながら生き抜く事になる。間違った母親の教育のせいで、人とのコミュニケーションが拙(ツタナ)い大人になってしまう。倍の負担を背負い続け、誰にも相談できず、何れ潰されてしまうだろう。事実、大人になって自殺を選んだ氷河期世代・ゆとり世代・脱ゆとり世代、そして小学生がいる。彼らは絶望してしまった。
子ども達の事を愛しているのであれば、成人した後の事を考えて行動しよう。彼らには選挙権が無いのだから。
幸い、今回の『衆院選』では危機感がある若者・若手(父親・母親を含む)が人生を懸けて立候補している。落選すれば無職(無収入)だ。そのエリアの若者・若手達は、自身の為、子どもの為に協力すべきではないだろうか。もし自身のエリアに若者・若手の候補者がいないのであれば、そのエリアの若者・若手の政治運動が弱い証左でしかない。
何とかするしかない。何とかしなければ、シルバ民主主義によって自身達の負担増。子ども達の負担は倍増する。消費税は十五㌫から二十㌫まで上げるシナリオもある。シニアの寿命は延び続けている。その分、医療費は膨れ上がる。その何とかは選挙と政治運動に他ならない。それが民主主義。選挙を放棄する者の意見は、何一つ採用できない仕組み。
記事:ファイナンシャル プランナ・羽田野正法
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