グラビアモデルに求められる女優力とハウツー

【芸能考察】 平成二十九年五月十八日にNTTドコモが運営するdメニュー映画にて、本格派女優になったグラビアモデルを紹介している。今回、挙げたG界出身の女優は綾瀬はるか(乙丑)、倉科カナ(丁卯)、柳ゆり菜(甲戌)、高岡早紀(壬子)、小島聖(丙辰)、佐藤寛子(乙丑)、中村静香(戊辰)、吉岡里帆(癸酉)の八名だ。


綾瀬は大河ドラマ「八重の桜/NHK」を、倉科は連続テレビ小説「ウェルかめ/同」を、柳は連続ドラマ「マッサン/同」を転機に位置付けている。他にもNHKへの出演を契機に飛躍していったグラビアモデルは多い。鍵となるのはNHKが、そのグラビアモデルを女優としてドラマに出演させたか、否か。NHKの太鼓判があると、民放や映画配給の各社が動きやすくなる。



<色物か、女優か>

 バラエティのみの進出を狙うモデルも増えたが、これでは色物扱いの一過性で終わってしまう。例えば、水樹たま(乙丑、写真上)だ。歌手への転向もG界にとっては、篠崎愛(壬申、写真下)などがおり、全くゼロでないものの現実性に乏しい。過去にも、かとうれいこ(己酉)や細川ふみえ(辛亥)、滝沢乃南(乙丑)などが歌で挑戦したが手厳しい結果となった。やはりグラビアモデルは女優力を養う他、ないのではなかろうか。


またNHKは公共放送なので、清廉さが欠かせない。ともすれば現在のG界の作品には危険な演出を多々、散見される。例えばラインコミュニケーションズ(アイドルワン、代取:藤中秀紀)やリップ(代取:近江晃)の作風ではNHKドラマへの出演は遠ざかる。女優を目指すモデルは、注意するに越した事はない。NHKが嫌う物に出てしまってからでは取り返しがつかない。対して発展の可能性が高いメーカーは、イーネット・フロンティア(代取:濱口大輔)や竹書房(代取:高橋一平、後藤明信)だ。

そして現在のG界は有名女優の輩出よりもアダルトなS女優の輩出に目が行きがちで、業界の問題である。



チャンスの多いBusty、積極的な売り込みを

 統計的に高いチャンスを持っているのは、Busty系のモデルだ。冒頭の八名の内、非Bustyは吉岡のみ。Bustyモデルだった飯島直子(戊申)や小池栄子(庚申)、佐藤江梨子(辛酉)、MEGUMI(辛酉)等もグラビアデビューから何年も経っているが現役女優として活躍している。ではBusty系モデルは何をしたら良いのか。まずは疑似行為を彷彿させる(イメージを欠損する)演出の仕事は断る事だ。事務所とメーカーの方針を確認し、在籍し続けるか、移籍するかを考える。


過激すぎて勿体ない結果になってしまったのは、松金洋子(壬戌、写真上)や夏目理緒(乙丑)、鈴木ふみ奈(庚午、写真下)など。TV露出もあったが、過激作品のリリースを重ねて、チャンスを活かせなかった。




舞台と強みの発見

 次に、舞台をよく観覧する。グラビアモデルやアイドルが出ている舞台は沢山ある。そこでライバルの演技力を勉強し、先輩方の舞台にも足を運ぶ。ライオンキング等のAクラスの舞台も学ぶ。声の出し方、表情、身振り手振り、間等、学ぶ要素は多い。次が肝心だ。自身が目指す方向性を先に決めるのではなく、プロ(舞台役者、監督、演出家など)から見て自身の強みである演技を先に見出してもらう。これを間違える女優は多い。自身が成りたい像と強み(得意)は、たいてい全く異なる。強みを伸ばす事が重要である。


そして最も重要な事は、事務所(マネージャ)の気持ちだ。芸能界はギャンブル性が高いので、有名事務所だからといって売れるわけではない。事務所の積極的な売り込みやコネクションの広さが物を言う。特に現代では雑誌や民放バラエティより、ネット媒体と繋がっているかがポイントだ。その理由はユーザの違いだ。雑誌のグラビアや民放バラエティのユーザは、非拡散者。一方、ネット媒体のユーザはシェアを筆頭に拡散者だ。



先手のネット媒体

 何よりもスピード感がネット媒体は早く、質よりも量で勝負できる。雑誌グラビアと民放バラエティは量を稼げない。だから知名度が現代のネット社会では向上しにくい。押さえるべきネット媒体は「アイドル専門チャンネルPigoo/つくばテレビ」「週プレYT/集英社」「AbemaTV/サイバーエージェント、テレビ朝日」「HIME.City/金剛」「モデルプレス/ネットネイティブ」の五媒体。若いユーザを多く有している媒体が重要だ。逆に中年以上を主力とする媒体は後回しで問題ないだろう。


自身が出演した番組等を拡散してくれるユーザが、その媒体にいるか、否か。ネット時代では自身の情報の積み重ねが物を言う。決して事務所に在籍しないフリー活動や撮影会を主体とする活動を勧める事はできない。チャンスが大いに減る。フリーでは業界関係者との接触が減り、信用を担保してくれる会社がないのが先方のリスクだ。撮影会を主体にしていると、先方は芸能人ではなく素人枠に入れてしまう。だからチャンスが大いに減る。


G界でコンスタントにDVDをリリースしていれば、イベント開催に伴う囲み取材でチャンスが巡ってくる。記者達が欲しているものは、ニュース性だ。プロポーションの変化や舞台やドラマ、映画への出演がペンを走らせる。


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