若者・若手強化政党「NEO維新」へ、党三役に若手起用か

【政治報道】 日本維新の会(代表:松井一郎)は、令和三年十一月二十七日に『臨時党大会』を開催した。オンライン投票にて代表選の実施を特別党員に問うた。「賛成(委任を含む)」が三百十九票、「反対」は百五十一票。代表選は実施せず、辞任を表明していた松井代表(甲辰)が続ける。


先の『衆院選』にて維新は、代表交代の期待も相俟って議席数を三倍に伸ばし、衆院では公明党(代表:山口那津男)の三十二議席を抜き、四十一議席と第三党になった。代表継続を望まれた松井代表は、維新の人事である党三役(幹事長・政調会長・総務会長)を一新し、四十代以下を起用する。同日に産経新聞やNHK等が報じた。


以下は起用調整者。四十四歳までの若手は二名。

  1. 幹事長;藤田文武(庚申)衆議=四十歳
  2. 政調会長;音喜多駿(癸亥)参議=三十八歳
  3. 総務会長;柳ヶ瀬裕文(甲寅)参議=四十七歳



<党三役 中堅・シニアの壁>

 幹事長は選挙責任を負い、政調会長は政策・法案責任を負い、総務会長は党内の最高意思決定機関の責任を負う。国政政党の党三役を若手主体で構成するのは、異例。以下は主要政党(衆院「小選挙区」にて議席を複数獲得可)の党三役。役職名が異なる政党もある。報道現在。


  1. 幹事長;自民・茂木敏充(乙未)元外務相=六十六歳、立憲・福山哲郎(壬寅)参議=五十九歳、公明・石井啓一(戊戌)元国交相=六十三歳、共産<書記局長>・小池晃(庚子)参議=六十一歳、国民・榛葉賀津也(丁未)参議=五十四歳
  2. 政調会長;自民・高市早苗(辛丑)元総務相=六十歳、立憲・泉健太(甲寅)衆議=四十七歳、公明・竹内譲(戊戌)衆議=六十三歳、共産<政策委員会責任者>・田村智子(乙巳)参議=五十六歳、国民・舟山康江(丙午)参議=五十五歳
  3. 総務会長;自民・福田達夫(丁未)衆議=五十四歳、立憲<常任幹事会議長>・田名部匡代(己酉)参議=五十二歳、公明<中央幹事会会長>・北側一雄(癸巳)元国交相=六十八歳、共産<議員団総会会長>・市田忠義(壬午)=七十八歳、国民<総務局長>・伊藤孝恵(乙卯)参議=四十六歳



以上の様に、主要政党の党三役で四十四歳以下の若手は不在。通常は各党の同格の役職通しで政治交渉を行う(カウンタパート)。維新が新人事を実現できれば、本格的な若者・若手による国会論戦が可能となる。若者・若手の声が直接に各党三役へ届くの意。


ハードルは高い。それどころか、“壁”とも言えるだろう。他の主要政党は、経験豊富な中堅・シニア。交渉相手としては、難儀が日常茶飯事となるだろう。しかし、この壁を若者・若手は報道府がしてきた様に突破・説得しなければならない。突破・説得できなければ、欲するものは何も実現しない。



来夏の『参院選』が試金石

 光明はある。来夏の『参院選』だ。先の『衆院選』では立憲等が若者・若手を多く擁立。経験豊富な重鎮を撃破した選挙区もあった。若者・若手の立候補者数は、百九十七人だった。三十四.〇㌫の確率で当選した。立候補すれば、三人に一人が国会議員に成れた。


『参院選』は若者・若手が通り易い。そして地殻変動が起こる国政選挙でもある。平成二十五年の東京選挙区では当時三十歳の共産・吉良佳子(壬戌)参議と当時三十八歳の新選組・山本太郎(甲寅)代表が中堅・シニアを撃破。その後、共産は地方選等で躍進し、山本代表は国政政党を立ち上げる等と流れを創った。


平成二十八年の『参院選』で松井代表は、東京の街頭演説にて十代・二十代を対象としたトークセッションを実施。当時より若者・若手を重んじる傾向があったが、大阪に有りがちな高圧的なイメージが東京ではマイナス評価となっていた。



若者・若手の育成に注力か

 その松井代表の雰囲気は変わり始めている。端的に当たりが良くなった。東京ウケもしそうだ。人材育成に専念する為の辞任予定であったが、代表職に就きながら人材育成を推し進めていくのであろう。大阪府知事・吉村洋文(乙卯)副代表の育成成功もあり、その手腕を本格的に期待されているので、代表選も行わない。



記者会見にて再任された松井代表は、結党から十年を超えた事を念頭に「改革政党としての土台部分はね、国民の皆様に充分に認知して頂ける、その位はできたと思うんで。この後は本当に二大政党の一翼を担える程の組織を目指して貰いたいな、と思います。」と維新次世代へ期待した。また後継者不在の指摘に対し、「メディアに取り上げられてないだけで、中身は不在じゃないんです。僕が居なくなったら、どんどん出てくると思います。人材はどんどん育っています。」と吉村副代表と同世代の若手議員の名を挙げた。



その若者・若手強化政党「NEO維新」の結果は、来夏『参院選』で示される。


既に先の『衆院選』では首都圏に若者・若手を放ち、顔見せを終わらせている。首都圏では予想以上に比例当選した。ポイントは、首都圏でも多数擁立できる程に若者・若手の候補者がいる点だ。維新は緊縮財政派であるが、それも維新の若者・若手が経済・財政を学べば変わるかもしれない。求められているのは財政拡大。それは「納税者が納得いく改革」であろう。


維新:(世の)色々の事が改革されて、皆新しくなる事(岩波国語辞典)


その党名より、自党自体を改革して新しくする事に違和感は無い。来夏に日本の情報発信の核である首都圏にて、若者・若手強化政党「NEO維新」が燃え盛るかもしれない。そのインパクト発生確率は、若者・若手の立候補者数に比例し、各党の現場取材した経験から品性あるフレッシュな維新の候補者達は確からしいと思われる。


松井代表が、五年前に想い描いていた事が実現する段階になったのかも知れない(写真は五年前の松井代表、東京にて)。尚、臨時党大会のYTチャットリプレイは残した。


撮影記事:金剛正臣

写真:維新・松井代表続投 新党三役には若手登用へ/産経新聞


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