映画『光』がパルムドール獲れず

【芸能報道】 平成二十九年五月二十七日に東京・新宿にて、映画『光/キノフィルムズ』の初日舞台挨拶が行われ、水崎綾女(己巳)、神野三鈴(丙午)、藤竜也(辛巳)、樹木希林(癸未)の四名が登壇した。監督・河瀨直美(乙酉)と主演・永瀬正敏(丙午)は、仏・カンヌ国際映画祭で最高賞「パルムドール」の結果発表を待っていた為、現地より音声通信で生の報告をした。


現地二十三日の公式上映でタエ・アシダの「光」の白ドレスを纏った川瀨監督は、カンヌへ七度目の出品となった。最高賞「パルムドール」を狙うコンペ部門は五度目だ。本年の日本映画の同部門エントリは本作が唯一であった為、大きく目されていた。公式上映では、終了後に十分間のスタンディング・オベーションが続いた。


だが「パルムドール」を現地二十八日に獲得できなかった。もし獲得していれば、女性監督の受賞は二十五年振りで史上二人目であった。一人目は五年にジェーン・カンピオンの映画「ピアノ・レッスン」。川瀨監督は各国映画祭で多くを受賞しており、カンヌでは九年にカメラ・ドール(新人監督賞)、十九年にグランプリ(審査員特別大賞)、二十一年に金の馬車賞を受賞。フランス芸術文化勲章「シュヴァリエ章」もフランスより授与されている。二十七日に本作はキリスト教関連の団体が選出するエキュメニカル賞を受賞した。それ以外は無冠であった。


舞台挨拶では登壇者にとっての「光」が発表された。水崎は「底にあるもの」、樹木は「闇」、藤は「世界で一番美しい言葉」、神野は「すべての命」とした。本作から採った水崎は「私がガイドを付けた時は、皆さんの心の底にある光りだと思って。この作品を通し、それぞれの根底にある光りを見つけて頂けたら。」と述べた。劇中で尾崎美佐子を演じた水崎は映画の音声ガイドの仕事を行っている。


川瀨監督と永瀬との通信では、本作への思いの丈を連ねた。本作で六十媒体以上も取材を受けた川瀨監督は「この映画を創って、この暗闇の中で映画を観終わった人達と一体感になれる瞬間が凄く嬉しい。映画は一体感なんですよ。」と、劇場観賞が生きる上での力の要素である点を伝えた。重ねて日本の俳優が世界に行く事を望んだ。永瀬は「インターナショナルの取材が物凄い増えて。人種は違うんだけれど、物凄く深く理解されている。」と沢山の意見を貰い、その言葉を皆に伝えたがっていた。また本作のPR冊子のインタビュで「演じるのではなく、映画の中で、生きているので、その時の感情が、自分のものなのか、役のものなのか分からないんですよね。」と述べていた。


劇中の映画での音声ガイドの声を担当した樹木は、世界的な大賞を受賞する事で本人が変わる点を指摘。「一番変わりそうなのは。」と水崎を見て前日の緊張感を和ませた。更に囲み取材で樹木は、現代役者に苦言を呈した。「役者が今、過保護になっちゃんてんの。」とマネージャ達が付いている点に言及。「ちょっと、それは違うんじゃないの。生きてる人間をやるのに。」と役者の撮影に入る姿勢を質した。「独りで向き合う。独りで各々、現場に行く。」と日本映画界を危惧した。


初カンヌだった水崎は「本当に圧倒されっぱなしで。二千三百人の方々と大スクリーンで観る事ができて。観終わった後に外国の方々が美佐子の感情が顕れていて良かったよ、と沢山頂けたので。」と現地では安堵した旨を伝えた。


=クレジット=

映画『光』

5月27日(土)、新宿バルト9、丸の内TOEIほか 全国公開中

©2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、KUMIE 

http://hikari-movie.com 


映画『光/㈱キノフィルムズ』初日舞台挨拶

画像提供:㈱キノフィルムズ

撮影記事:金剛正臣

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