新党を模索する前原誠司、小沢一郎、菅直人と小池百合子

【政治考察】 平成二十九年七月の内閣支持率が時事通信とANNの世論調査で、危険水域といわれる二十㌫台にまで落ち込んだ。八月三日には第三次安倍第三次改造内閣(第三安倍内閣.参)が発足予定。今秋の臨時会では第三安倍内閣.参をもって残業代ゼロ法案の再提出による成立等を目論む。自民は「都議選二〇一七」で史上最低の議席数を記録したが、支持率をみる限りで未だ国民は納得をしていない。


他方、第一野党の民進は蓮舫(辛未)代表の二重国籍問題が尾を引き、支持率は一桁台と自公に対抗できない有様だ。支持母体の連合も事実上、民進と距離を置いて政権に寄り添い始めている。だが野党再編の前兆が起きた。テレ朝NEWSは民進・前原誠司(壬寅)元外務大臣へのインタビュで「別に民進党という名前に拘らなくても私は良い。」と、政界再編を視野に入れている旨を十八日に報じた。


同日に民進・菅直人(丙戌)元総理大臣は、自身のブログにて次期国政選挙で同党が原発ゼロを公約に入れない場合には「五人以上の国会議員が参加する脱原発党=緑の党を全国規模で再結成し、当選者を出せるようにする。」と、脱原発の新党構想を掲げた。平成五年の非自民・共産の細川八党連立政権を引き合いに出して「次期衆院選と参院選で明確に原発ゼロを公約する全国規模で活動できる政党を確立し、原発推進派と対峙したい。」と記した。




<鍵は緩い超小沢派>

 十七日には前原が代表選時に接近した自由・小沢一郎(壬午)代表が、自身の政治塾「小沢塾」の講演で安倍政権・官僚・自民議員を批判し、「新党がベストだが難しければ既存政党が一つの傘の下でやる“オリーブの木”しかない。」と話した事を日刊スポーツが報じた。小沢は先の都議選につき、小池百合子(壬辰)都知事が率いる都Fの大勝を評価。小沢と百合子は新進党(当時)時代に共にした。


百合子は細川内閣発足の一つ前の第四十回総選挙で参院から鞍替えし、日本新党(当時)の副代表になっていた。その細川内閣は、小沢が細川護煕(戊寅)に総理就任を打診し発足した。


十四日に日刊ゲンダイは民進・細野豪志(辛亥)元環境大臣が、百合子がつくる国政政党への最後の一人になるかもしれない点を伝えている。国政政党の結成には国会議員が五人必要だ。若狭勝(丙申)、渡辺喜美(壬辰)、長島昭久(壬寅)と松沢成文(戊戌)が現状の百合子派だ。そして政党助成金を受取る為には年内結成が条件となる。




日本新党と新生党の議員

 百合子が国政政党をつくれば、先の都議選と同じ様に自民・民進から離党者が出て新党を形成する。当時の日本新党を確認すると、民進・野田佳彦(丁酉)幹事長や海江田万里(己丑)元経産大臣、自民・山田宏(戊戌)元杉並区長、河村たかし(戊子)名古屋市長、自民・遠藤利明(庚寅)元五輪大臣、中田宏(甲辰)元横浜市長、自民・茂木俊充(乙未)元経産大臣、民進・枝野幸男(甲辰)元経産大臣等がいた。前原もいた。


一方、小沢が当時いた新生党には民進・岡田克也(癸巳)元副総理大臣、自民・二階俊博(己卯)幹事長等がいた。自民・石破茂(丁酉)元地方創生大臣、現・百合子派の松沢もいた。


また反原発ならば、小泉純一郎(壬午)元総理大臣が四月に「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」を立ち上げている。小泉政権下で百合子は環境大臣を務めた。そして細川は、同連盟の中核をなす「自然エネルギー推進会議」の代表理事を務める。二人の総理が、このまま政治的に何もしないと考え難い。



作用点には政権交代

 以上より野党サイドは非民進・共産を主とした自公対抗軸が立ちそうな流れである。陰陽で例えるならば陽は百合子、陰は小沢・小泉で力点となる。その力点に前原・細野・若狭・渡辺等が協力して手を掛ければ、作用点に大きな力が加えられる。その作用点には政権交代が乗っている。


内閣支持率の危険水域、二週間後の内閣改造、秋の臨時会と冬の新党結成。そして来る総選挙。都民は大きなジャッヂを今月に行った。次は全国民のジャッヂの順番が回ってくる。


0コメント

  • 1000 / 1000