南米最大国・ブラジルとの知財保護の強化

【ビジネス報道】 特許庁/経産省は平成二十九年八月一日にブラジル・産業財産庁との協力覚書に署名した。目的は産業財産分野における協力拡大。ブラジルとの協力を強化し、日本企業の知財を迅速・円滑に確保して適切に保護される環境整備を進める。ブラジルは、南米最大の二百兆円近い経済規模と二億人の人口を誇る。


同覚書によりブラジルでの知財の保護環境の整備を強化し、日本企業の円滑な国際事業展開を期待する。ブラジルはBRICsの一角として知られ、自動車産業等の製造業を中心とした多くの日本企業がブラジルに進出している。日本からの出願は直近十年で三倍に増加した。ブラジルは出願から審査結果までに平均十年以上も掛かる。


そこで両庁は二十二年に産業財産分野における協力覚書を締結。ブラジルから産業財産権分野の研修生を受入れ、二十四年より審査官協議を開始した。本年四月には、ブラジルでの日本企業による特許権の早期取得を目的として、両庁間での特許審査ハイウェイ(PPH)を開始。産業財産庁は、特許や商標の審査官を二百十人増員した。両庁は協力を拡大する為に今回の覚書署名に至った。



同覚書において、両庁は以下の項目で協力する。新規は二つで拡充が一つ。


  1. 産業財産戦略、産業財産に関する国際条約、法律、規則、ガイドライン、マニュアル等の両庁の産業財産制度及び運用並びに産業財産行政の統計に関する情報の交換
  2. 特許審査ハイウェイ(PPH)及び審査官交流を含む実体審査における協力(拡充)
  3. 情報技術(IT)における協力
  4. 研修を含む両庁職員の人材育成分野における協力
  5. 以下の事項に関する、両庁の経験及び知識の共有;人材、財務及び審査の品質を含む両庁のマネージメント全般;研修教材及び産業財産情報の公衆への提供を含む普及啓発活動
  6. 公報等の両庁間の産業財産データの交換
  7. 関係機関と連携した産業財産保護強化のための協力(新規)
  8. 両庁の産業財産制度及び運用に関するユーザー評価の共有(新規) 

(了)


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