天皇陛下のお言葉|全国戦没者追悼式

【社会報道】 平成二十九年八月十五日に東京・九段下にて天皇皇后両陛下御臨席の下、日本政府は『全国戦没者追悼式』を挙行した。式典では先の大戦で犠牲となった約三百十万人に哀悼の意を込め、一分間の黙祷が捧げられた。


天皇陛下は式典で以下のお言葉を述べられた。

―本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、先の大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たに致します。

終戦以来、既に七十二年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時を忍ぶ時、感慨は今なお尽きる事がありません。

ここに過去を顧み、深い反省と共に、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されない事を切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対して、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。




<例年になく想いをお馳せになられる>

 お言葉を述べられた後、御退席の際に陛下は「全国戦没者之霊」に向かわれ、何かを思われたのか例年よりも長く留まれになられた。歩み寄られた皇后陛下のお声掛けがあられたが、再度「全国戦没者之霊」にお顔をお向けになられた。御退席の為、通路を歩まれる両陛下。角に差し掛かった際に、陛下は国民に目をお向けになられた。


昨年は「天皇陛下万歳」と会場から声が上がり、その声にご反応を示された陛下は振り返って下さったが、今年はその声は無かった。右側、中央、左側と、じっくりと国民をお見据えになられた陛下のお瞳からは、昨年までの陛下のお瞳と違う意志をお伝えになられている様に感じられた。陛下のお口元には笑が見えた様に感じた。生前譲位が三十年末か三十一年三月の見込みであられる陛下。今上天皇が本式典に御臨席なさるのは来年が最後となるかもしれない。


撮影記事:岡本早百合

0コメント

  • 1000 / 1000