皇紀二六八二年元日『天皇陛下のお言葉』

【日本報道】 天皇皇后両陛下は、皇紀二六八二(令和四)年元日に国民に向けてビデオメッセージをご配信なされた。昨年に引き続き二回目。一般参賀の中止に伴うもの。


以下は天皇陛下(庚子)のお言葉。

「今年も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の為、一般参賀で皆さんに直接お話をする事が残念ながらできません。そこで、昨年と同じ様にビデオで御挨拶をしようと思います。


この一年も新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、国の内外で多くの方が感染し、亡くなりました。亡くなられた方々に深く哀悼の意を表しますと共に、大切な方を亡くされた多くの方々に、心からお見舞いを申し上げます。また、これまで献身的に治療に当たってこられた医療従事者の皆さんの並々ならぬ御尽力に改めて敬意と感謝の意を表します。


我が国では、幸いにしてワクチン接種が行き渡ってきた事や国民の皆さんの弛みない努力等により、新型コロナウイルスの感染者の数が一時に比べて大きく減少し、随分と落ち着きを見せています。また、新型コロナウイルス感染症により重症化する方や亡くなる方も確実に少なくなってきており、明るい兆しが見えてきた様にも思われます。


同時に今、私達はオミクロン株という新たな変異ウイルスの脅威にも直面しています。海外に目を向けると、感染者数が増加している国も多く、中にはワクチンが手に入らなかったり、必要な治療が受けられない人々も大勢おり、この様な状況が早く改善する事を願っています。


国内にあっては、この新型コロナウイルス感染症の影響により、仕事を失ったり、苦しい生活状況に陥る方も多く、心が痛みます。助けを必要としている方々の所に、多くの温かい手が差し伸べられる事を願って止みません。



国民の皆さんのこれまでの御苦労も如何許りかと思いますが、今一度、私達皆が、これまでの経験に学び、感染症の対策の為の努力を続けつつ、人と人との繋がりを一層大切にしながら、痛みを分かち合い、支え合って、この困難な状況を乗り越えていく事を心から願っています。


そして新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収まり、皆さんと再び直接お会いできる日が来る事を心待ちにしています。



昨年は、東日本大震災の発生から十年を迎えた年でした。人々の弛みない努力により、一歩一歩復興が進んできていますが、その一方で多くの方々が、困難な状況の中で今尚苦労を重ねておられる事を案じています。また、昨年も台風や大雨により、多くの方が被害に遭われ、亡くなられた事に胸が痛みます。これからも被災地の方々に心を寄せていきたいと思います。


私達の前には、未だ様々な困難が横たわっていますが、その様な中にあって、昨年夏に行われた東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会は、選手や関係者の努力により、多くの人々に勇気と希望を与えるものとなった事と思います。


本年が皆さんにとって、明るい希望と夢を持って歩みを進めていく事のできる良い年となる事を心から願っています。新年に当たり、我が国、そして世界の人々の幸せと平和を祈ります。」




以下は皇后陛下(癸卯)のお言葉。

「昨年も多くの方にとって御苦労の多い年だったのではないかと思います。また、年の暮れからの寒波で大変な思いをされている方も多いのではないでしょうか。どうぞ皆様くれぐれもお体を大切にお過ごし頂きます様に。今年が皆様にとって少しでも穏やかで、実り豊かな年となります様、心からお祈りしております。」


写真:宮内庁

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