岸田総理・令和四年『年頭所感』

【政治報道】 岸田総理(丁酉)は、令和四年元日に『年頭所感』を公表した。


「新年明けましておめでとう御座います。昨年十月に内閣総理大臣に就任して以来、目まぐるしく変わる国内外の情勢に機動的に対応しながら、スピード感を持って駆け抜けてきました。最優先で取組んできたのは、新型コロナ対応です。世界に類を見ないスピードでワクチン接種を進めてきた事で、昨年後半、暫くの間、感染状況は落ち着きを見せました。


しかし今また、感染力が極めて高いと言われるオミクロン株という新たな変異株の脅威に直面しています。『最悪を想定し、慎重にも慎重を期す。』という危機管理の要諦を踏まえ、対応していきます。G7でも最も厳しい水際措置によって得られた時間的猶予を活かして、「予防・検査・早期治療」という一連の流れを更に強化し、社会全体として新型コロナのリスクを引下げていきます。これまで強化してきた医療提供体制のフル稼働。医療従事者・高齢者を対象とした三回目のワクチン接種の前倒し。感染拡大が懸念される地域での、無料検査の実施。飲める治療薬の普及。必要な措置を機動的に講じていきます。


新型コロナでお困りの方の生活を支え、事業の継続と雇用を守り抜く事も政治の大切な使命です。昨年策定した「コロナ克服・新時代開拓の為の経済対策」を一日も早く国民の皆さんにお届けします。



こうした取組みにより、新型コロナとの闘いに打ち克ったならば、その先に目指すべきは日本経済再生の要である『新しい資本主義』の実現です。市場に過度に依存し過ぎた事で生じた格差や貧困の拡大。自然に負荷をかけ過ぎた事で深刻化した気候変動問題。こうした資本主義の弊害に対応し、持続可能な経済を作り上げていく。国家資本主義とも呼べる経済体制からの強力な挑戦に対抗し、これまで以上の力強い成長を実現させていく。


こうした問題意識は米国・欧州等、多くの先進国共通のものです。『新しい資本主義』においては、全てを市場や競争に任せるのではなく、官と民が今後の経済社会の変革の全体像を共有しながら、共に役割を果たす事が大切です。


成長については「デジタル化」「気候変動」「経済安全保障」「イノベーション・科学技術」等の社会課題を成長のエンジンにします。分配については格差に向き合い、「企業による賃上げ」や「人的投資の強化」による分配を次の成長に繋げます。


こうした取組みにより、「成長と分配の好循環」を生む事で経済の持続可能性を追求するのが、私が掲げる『新しい資本主義』です。



目を国外に向けると、急速に厳しさと複雑さを増す国際情勢の中で、外交・安全保障の巧みな舵取りと安定政権の確立が益々求められています。本年は、本格的に首脳外交をスタートさせる年にします。私は、未来への理想の旗をしっかりと掲げ、現実を見据えながら、普遍的価値の重視、地球規模課題の解決に向けた取組み、国民の命と暮らしを断固として守り抜く取組みを三本柱とした『新時代リアリズム外交』を推し進めます。



自由民主党結党以来の党是である、憲法改正も本年の大きなテーマです。国会での論戦を深めると共に、国民的な議論を喚起していきます。



昨年、私は国民の声を良く聞き、丁寧で謙虚な政治を行うと申し上げ、国民の皆さんから大きな信任を頂きました。本年も多くの方の声を聞きながら、国民の為に何が最善なのかという観点から、政治としてしっかりと決断し、結果を出していく覚悟です。


その際、一度決まった方針であっても、国民の為になると思えば、前例に囚われず、躊躇せずに柔軟に対応する。そうした姿勢を大切にしていきます。国民の皆さんの御理解・御協力を心よりお願い申し上げます。本年が、皆さんにとって実り多き一年となるよう祈念し、私の年頭の御挨拶と致します。」


写真:総理大臣官邸

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