上場企業監査を登録制へ、金融審『公認会計士制度部会』報告

【金融報道】 金融庁(大臣:鈴木俊一)は、令和四年一月四日に金融審議会『公認会計士制度部会(部会長:神田秀樹)』の報告を公表した。今後、本報告は金融審議会総会・金融分科会において報告する。


A「会計監査の信頼性確保」とB「公認会計士の一層の能力発揮・能力向上」に分け、会計監査の環境変化に対応する。



Aは「上場会社監査に関する登録制の導入」と「公認会計士・監査審査会によるモニタリング」。前者での具体は以下の三点。

  1. 上場会社監査につき、法律上の登録制を導入
  2. 登録時に日本公認会計士協会が適格性を確認;非・業務停止処分中や法人が五人以上等の一定社員数、個人会計士への適切な対応等
  3. 上場会社の監査事務所に対し、監査法人のガバナンス・コー ドの受入れ等の体制整備や情報開示の充実を規律付け;登録取消し
  4. 上場会社等の義務;『金商法』規定の財務書類・内部統制報告書の監査証明は、登録済み監査事務所から


後者では、公認会計士・監査審査会の立入検査権限等の見直しを求めた。例えば「虚偽証明等の疑義」がある監査法人等に対し、両者が立入検査を行う際、当該監査法人等の業務の運営の状況の検証を行い、虚偽証明等の検証を併せて行う。


その上で、虚偽証明等に相当する監査手続の不備が確認されれば、両者が必要に応じて金融庁へ行政処分等を求める勧告を行う。


 Bは「監査法人の社員の配偶関係に基づく業務制限の見直し」。共働き世帯の増加と監査法人の大規模化に配慮した。監査に関与する社員等へ業務制限の対象限定をしたい。


現行制度では、監査に関与するか否かを問わず、全社員が対象となっている。具体的には、監査法人の社員の配偶者が会社役員等である場合等。「当該会社等の財務書類について当該監査法人が行う監査証明業務に関与する社員等に限る事とすべきである。」と主張する。


以下は、その他の事項。

  1. 企業等に勤務している公認会計士の登録事項に「勤務先」追加
  2. 資格要件である実務経験期間の見直し(二年以上→ 三年以上)
  3. 継続的専門研修の受講状況が不適当な者等の登録抹消規定の整備
  4. 日本公認会計士協会による会計教育活動の推進(協会の会則記載事項として会計教育活動を位置付け)

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